フィジカルと精神面が整えば優勝確率は90%

日本時間11日(金)に行われた全米オープン準決勝をフルセットで制し、2018年以来2年ぶりの決勝に進んだ大坂。

元プロテニスプレーヤーで解説者としても定評のある森上亜希子さんが「完璧な戦い」と語り、大坂選手のV確率を90%と自信をもって語った。

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん
元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん
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大坂なおみ(世界ランク9位)2(7-6/3-6/6-3)1ジェニファー・ブレイディ(世界ランク41位)

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん:
第1セット、お互いブレークがないまま良い形で試合が進んでいって、タイブレークになった時にほんと少しだけブレイディ選手のミスが続けて出たところを大坂選手が逃がさず、そのまま第1セットを、第2セットはブレイディ選手が少ないワンチャンスをものにしました。第3セットはどういう試合展開になるのか、大坂選手はここからのギアの上げ方は経験豊かですから、どうなるのか注目して見ていました。

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん:
大坂選手は精神的にすごく安定していて身体もよく動いて、試合内容的には言うことがないくらい完璧な戦いをしてくれました。技術的にはフラットはもちろん素晴らしいサーブを打つが、きょうは大事なところで配球を変えてみたり、球種を変えてあえてスピードを落としたり。良く考えて組み立てが出来ていた。そして、ラリーの中でも耐えながらチャンスが来るまで待てる。

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん:
以前の大坂選手だったら、もっともっと早く終わらせたくて、つまりポイントを取ろうとして無理矢理のミスが多かった。この試合を通してまったくそれがなかったのでそこは大坂選手の大きな成長だと思う。数字でみると、大坂選手の単純なミス、アンフォーストエラー(いわゆる凡ミス)の数がこれだけ沢山のゲーム数をこなしても17本しかなく、ウィナー(相手に触らせず決めたポイント)が35とこちらは倍以上。数字からもこの試合の大坂さんの充実ぶりが分かると思います。今大会の中で今日が一番いい試合だったと思います。

大坂なおみ選手 アンフォーストエラー 17本 ウィナー35本
ブレイディ選手 アンフォーストエラー 25本 ウィナー35本

決勝は日本時間13日の早朝、元世界ランキング1位、ビクトリア・アザレンカ選手(31)に決まりました。2007年にはアザレンカ選手に勝ったこともある森上さんが見た決勝の行方は?

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん:
アザレンカ選手はタイミングをとにかく早くとるタイプの選手で、方向転換、うまくボールをコントロールして相手を動かすのがうまい選手。現在、調子はすごくいいと思います。とにかく決勝戦は試合の入り、スタートが大坂選手としては大事になってきます。

元プロテニスプレーヤー 森上亜希子さん:
アザレンカ選手は絶対諦めない選手で、出産を経てカムバックしてきていますが、いろんな意味で精神的に余裕が出来ているので、試合を楽しんでいるなと言う印象があります。それでもすべてのプレーで大坂選手の方がここまでの戦いで上回っていると思います。簡単にはいかないもしれないが、ここまでの大坂選手の精神的な状態とフィジカルが整って戦うことができれば必ず勝機は見いだせると思います。勝つ確率は90%といってもいいでしょう。

報道スポーツ部
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