2024年産米の食味ランキングが発表された。残暑が厳しかった夏を乗り越え、新潟県内ではランクダウンもなく、魚沼地区のコシヒカリは特Aを維持。コメの価格高騰が続くなど、コメをめぐる状況が混沌とする中、コメ農家の反応を取材した。

食味ランキング発表!新潟米は“横ばい評価”

日本穀物検定協会が毎年発表している『食味ランキング』。各産地のコメの出来を5段階で評価するものだ。

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ランキングでは、前回最高評価の特Aだった魚沼地区のコシヒカリが今回も特Aを維持し、上越・中越・岩船・佐渡地区でもA評価を維持した。

一方、2024年、A’の評価となった下越地区では1段階評価を上げ、A評価となった。

猛暑に見舞われるも…評価維持のウラに農家の努力

こうした結果に、上越市三和区でコシヒカリなどを生産している高嶋拓也さんは「できれば特Aに返り咲きたい。努力を惜しまずつぎ込む」と話した。

高嶋拓也さん
高嶋拓也さん

2023年夏の猛暑による水不足などが原因でコメの品質が低下し、2024年のランクでは上越地区で10年続いた特A評価をAに落とすことに…。

2024年も猛暑、そして残暑に見舞われる厳しい環境となり、2025年の特A復帰は果たせなかったが、それでも農家の対策などにより、A評価を維持している。

猛暑の中…農家の努力でA評価を維持(資料)
猛暑の中…農家の努力でA評価を維持(資料)

高嶋さんも「2023年は品質・収量ともに本当に悪かったので、2024年は対策もしっかりとしていた。食味に関しても、収量に関してもかなり回復できたと思う。ダウンしなかったのは、生産者さんの努力の賜物だと思う。水と肥料は人間で細かく管理できるので一生懸命やっている」と話す。

“価格高騰”に懸念も「高すぎるコメはコメ離れ生む」

一方で、歯止めがかからないのが“コメの高騰”だ。

生産するための費用も上がっているが、「結局、高すぎるコメはコメ離れを生むので心配している」と懸念を示す高嶋さん。

“価格高騰”続くコメ
“価格高騰”続くコメ

2月の小売物価統計調査では、コシヒカリが5kgあたり4363円と過去最高を更新。

コメ離れを生じかねさせない事態となっているが、コメの安定供給に向け、高嶋さんは2025年の田植えへ準備を進めている。

「健全な稲姿で収穫を迎えれば、食味も必ずついてくるので、そのための対策は練っている。安心安全でおいしいコメを適正な価格でお届けできることが一番」

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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