違法建築をめぐる札幌市の指導が無視されていた中、札幌市からノースサファリへの補助金が出されていた。
行政指導受ける中― 札幌市から約2000万円の補助金

コロナ禍での宿泊支援事業「サッポロ割」などで、市から約2000万円が支払われていた。
「動物の移動についてもう少し情報を出していただかなければならない」(札幌市 秋元克広市長)
札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」をめぐり、2月の会見で苛立ちをあらわにした札幌市長。
その理由となったのは、札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」をめぐる問題だ。

市は20年間、無許可で建てられた動物の飼育小屋など156棟の是正を求める行政指導を17回繰り返してきた。
市の対応も“ちぐはぐ”だった
一方で、市が「ちぐはぐ」とも言える対応をしていたことが明らかになった。
「国・北海道が行う観光需要の回復のため、これに連動させながら札幌市としても札幌市内の需要喚起に努めたい」(秋元市長)
コロナ禍で落ち込んだ宿泊需要を喚起させようと、宿泊料金を一部割り引く「サッポロ割」。
このサッポロ割の対象に“ノースサファリ”内の施設も選ばれたことから、市は運営会社のサクセス観光に対し、3年間で860万円の補助金を出した。
園内にある「アニマルグランピング」で旅館業の許可を受けていたことから、対象になったという。

そのほか、「事業再構築サポート補助金」などを含め、合計1962万円の補助金を出していた。
担当者「スピード感を持って支援することが最優先だった」
「違法建築物をめぐり行政指導を受けていることは把握していたが、スピード感を持って宿泊業者を支援することが最優先だった」(担当者)

この対応について、市のある幹部は「手続きに工夫する余地はあった。検証が必要だろう」と話した。
今後、補助金の返還を検討する可能性がある。