生産者が購入者を「逆指名」する「筋肉ブロッコリー」が、宮崎市で試験販売されている。ブロッコリーはトレーニングを行う人々に好まれている野菜で、出荷量は1989年から約2倍に増加している。背景にあるのは健康志向の高まり。スポーツランド宮崎のアスリートを支える新たな挑戦が始まった。

ブロッコリー出荷量は右肩上がり

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農林水産省の作物統計調査によると、ブロッコリーの出荷量はデータがある1989年の7万7000トンから年々増え続け、約30年で2倍に増えている。出荷量増加の背景には、健康志向による需要の高まりなどがあると言われている。

こうした中、宮崎県内と千葉県の企業が共同でアスリート向けのブロッコリーを開発。その名も「筋肉ブロッコリー」。販売戦略を聞いた。

生産者から購入者を「逆指名」

農作物の収穫予測などを行う千葉県の「INGEN」と、宮崎県内で野菜や果物のブランディングや販売を行う「やお九州」が開発した「筋肉ブロッコリー」。「生産者から購入者を逆指名する」そんな斬新なアイデアで商品化された。

INGEN 櫻井杏子社長:
誰に喜んでもらうために自分たちは何を作っているのか、というのが見えるような野菜・ルーツの仕組みを作りたい。誰々に食べてほしい…生産者から逆指名するような仕組み。

「筋肉ブロッコリー」の開発チームによると、ブロッコリーは一般的に他の野菜と比べ、筋肉を構成する成分である必須アミノ酸BCAAなどが豊富に含まれている。そのため、トレーニングに励む人に好まれる野菜だという。

ボディビルダー マッスル井上さん:
ほぼ毎日食べている。だいたいブロッコリーを1日1房か、別の野菜を食べるときは2日で1房とか、そういう感じで食べる。

「筋肉ブロッコリー」は、必須アミノ酸に着目し、含有量をさらに向上させるよう品種選びや土壌作りから研究を進め、1年かけて作られた。

ちなみにそのお味は…

今栖那菜記者:
噛み応えがあって、噛めば噛むほどブロッコリー本来の旨味、そして甘さが感じられて、とても美味しい。

やお九州 服部学代表:
トレーニングに励む人は、プロテインとか器具とか、結構こだわりを持って選ばれている。「筋肉ブロッコリー」も、こだわりを持って選んでもらえるという環境を作っていきたいと思っている。

現在、「筋肉ブロッコリー」は、宮崎市内2箇所のほか千葉や愛知、神奈川で試験栽培が行われている。生産者の日高さんが試験栽培に協力した理由も…

生産者 日高利浩さん:
私の息子がサッカーをしていて、鶏とブロッコリーを食べる。それを見て、ちょうど試験栽培の話があって「あ〜それいいな」と思って。「筋肉ブロッコリー食べている」と言われたら、生産者もすごく嬉しいと思う。

やお九州 服部学代表:
今後は産地を全国に広げていき、地産地消で「筋肉ブロッコリー」が全国各地のアスリートやトレーニングする人たちの手に届くようにしていきたいと考えている。

プロチームの合宿受け入れなどで「スポーツランド」を推進している宮崎県。
食材でもアスリートを応援できるようになるのか。農業関係者の新たな挑戦が始まっている。

2024年度は試験販売。3月末まで宮崎市内のスーパーやホテル、トレーニングジムなどで約1万5000株を販売する。

(テレビ宮崎)

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