岩手・大船渡市の大規模な山林火災に、全国から集結した約2000人の消防隊員たちが昼夜を問わず懸命の消火活動に当たっている。3月5日時点で焼失面積は約2900ヘクタールに拡大し、消防団からは「大変なことが発生していると実感する」との声が聞かれた。地域住民からの温かい支援も彼らの心の支えとなっている。
14都道県から緊急消防援助隊が結集
岩手・大船渡市の大規模な山林火災は、3月5日時点で焼失面積が約2900ヘクタールまで拡大し、現在も鎮圧には至っていない。
総務省消防庁では、14の都道県から緊急消防援助隊を動員し昼夜を問わず懸命の消火活動に当たっている。

巨大な空間にずらりと並ぶ簡易ベッドや寝袋。
緊急消防援助隊の拠点の一つ、陸前高田市の「夢アリーナたかた」では、東北4つの県の隊員520人が食事をしたり休息をとったりして英気を養っている。

上山市消防本部(山形県)は平塚和岐隊員は「付近のスーパーの方が差し入れを持ってきてくれたり、疲れる活動ではあるがそういったことがあると次の活動も頑張らなきゃという気持ちになる」と話し、困難な状況を乗り越える力となっていることがうかがえる。
東日本大震災の教訓が生きる避難
駐車場には、ポンプ車や燃料補給車など機能別に消防車両が待機している。

現在、緊急消防援助隊の本拠地となっているのは陸前高田市や住田町などの6カ所の施設で、2000人近い隊員を受け入れている。

大曲消防署(秋田県)俵谷俊明副署長は今回の山林火災について「現実を見て大変なことが発生していると実感。東日本大震災を経験しているということで避難が早かったと聞いている。教訓が生きている」と語った。
地域の防災意識の高さと過去の経験が現在の危機管理に生かされていることを示していて、大規模災害を経験した地域だからこそ、迅速な避難行動につながったと言える。

1日も早い鎮火を目指して、緊急消防援助隊の懸命の消火活動が、今この瞬間も続けられている。
(岩手めんこいテレビ)