2月28日午後4時、札幌市の担当者が会見を開き、現場の通行再開について説明した。

札幌市担当者 現場の通行再開について説明

「長期間の通行止めは市民への影響も大きいため道路の仮復旧を行った」

「現時点では原因については不明です」(札幌市の担当者)

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札幌市清田区で道路の陥没が見つかったのは26日。

急ピッチで復旧が進められ、28日の通行再開。

市民に不安広がる

スピード復旧となったが、原因が分からない状況に不安を訴える市民も。

「原因が分からないので不安もあるかな」

「ちゃんと調べてもらって調査報告をしてもらった方が安心感がある」

「マメに点検をやってほしいのはある」(いずれも札幌市民)

道道に大きな穴 地中には巨大な空洞

(提供:札幌市)
(提供:札幌市)

26日、清田区真栄3条2丁目にある道道で最大で幅80センチ、深さ約2メートルの穴が開いているのが見つかった。

現場は通行止めとなり、札幌市は開発局や道とともに現場を掘削。

周辺の地下には最大で長さ11メートル直径2メートルの空洞があったことが分かった。

しかし、近くの水道管からの水漏れや土砂の流出は確認されなかった。

「この通りには大きな下水道管のような人工的構造物はない。水道管はあるが損傷があれば水が吹き出す形で土砂を吸い込むことはないので構造物に流れ込んだとは考えられない。周辺に川もあるので関係の究明ができればと思っている」(秋元克広札幌市長)

市は再びすぐに陥没する可能性は低いと考えられることや市民生活への影響も踏まえ、復旧作業を進めた。

川が道路までいっていたか 液状化現象の可能性も

28日、現場を訪れた専門家は。

「近くに川があって、川が道路まで行っていた可能性が高い。地盤が悪い。胆振東部地震があったので、液状化の痕跡かもしれない」(室蘭工業大学大学院 木幡行宏教授)

地盤工学に詳しい室蘭工業大学大学院の木幡教授が、注目したのはすぐ横にある厚別川。

道路のある場所がかつて川だった可能性があると指摘する。

地中レーダーによる維持管理の必要性

市民生活への影響を最小限にするため通行再開に理解を示しつつ、周辺では2024年4月にも深さ2メートルの穴が開いていることから今後、調査や点検が必要だと言う。

「調査するにしても1か月くらい通行止めにする状況にもなるから(道路の)維持管理のため、地中レーダーを2、3か月に1回やって空洞ができていないか調べたほうがいい」(木幡教授)

道路は社会を支える重要なインフラ。

その安全をいかに守っていけばよいのか。

小樽商科大学の泉貴嗣准教授は「地域の方の声をホットラインで自治体に伝えられるようになったらいい。またそれを人で裁くとパンクしてしまうので、AIで整理してマップするといいのでは」と話した。

北海道文化放送
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