SNSトラブルはなぜ殺人にまでつながったのか。
北海道旭川市で2024年、17歳の女子高校生をつり橋から川に転落させ死亡させた罪に問われている、当時19歳の女の裁判員裁判が始まった。
旭川女子高生殺害事件 当時19歳の女の裁判員裁判が始まる
雪が降りしきる中、旭川地方裁判所の前にできた長い列。

注目の裁判の傍聴席を求める人たちだ。

2月27日から、殺人などの罪に問われた当時19歳の女の裁判員裁判が始まった。
「(事件を知って)こんなことがあるんだとビックリしました。本当の真実を知りたいです」(傍聴席を求め並んだ人)
注目される中、法廷に現れた小西優花被告(20)。
茶色の髪を縛り、白いシャツに黒いズボン姿で一礼して着席した。
2024年4月、17歳の女子高校生を橋から川に転落させ殺害したなどの罪に問われている。
事件当時、小西被告は19歳だった。
「起訴された内容に間違いはありませんか」(裁判長)
「間違いありません」(小西被告)
起訴された内容を認めた。
神居古潭の橋から川に転落させる
小西被告は、自分のことを「舎弟」と呼んでいた人物とともに事件に関わった。
当時21歳の内田梨瑚被告だ。

起訴状などによると、2人は共謀し、2024年4月19日の未明、北海道留萌市の女子高校生を旭川市の神居古潭の橋から川に転落させたとされる。
吊り橋「神居大橋」。

高さ約10メートル、川の水深は12メートル以上。

当時は水温10度を下回っていたとみられる。
事件の発端はSNSでの投稿
事件の発端はSNSの投稿だった。
亡くなった女子高校生は、内田被告がラーメンを食べる様子の画像をSNSで使用。
そのことを知って腹を立てた内田被告。
事件前日の夜、小西被告らと共謀し、女子高校生を電話で脅した。
「どう落とし前つけんの。誰にけんかうってんの」(小西被告らの当時の発言)
その後、2人は女子高校生が住んでいた留萌市に車で向かった。

そして、少年ら2人を加えた4人で女子高校生を車内に監禁し、約60キロ離れた旭川市へ移動した。
暴行の様子“ライブ配信”
たどり着いた暗い橋の上。
内田被告は、ここで女子高校生に暴行する様子をビデオ通話で、先に帰宅した少年に見せていたとされる。
そして――
「小西被告は女子高校生の二の腕や背中あたりを押して川に落としました」(古沢哲也 記者)
逮捕後、小西被告は「川に突き落としていない」などと関与を否定。
内田被告も「橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけだ」と答えていた。
小西被告の「手記」公開
しかし、2024年の暮れ――小西被告は弁護士を通じて手記を公開。

「リコさんと私は結果、亡くならせてしまったんです」

「自分の犯した罪を裁判で、きちんとさばいてもらい、刑に従う事しかできません」(いずれも小西被告の手記から)
起訴内容を認め 量刑争う方針
起訴された内容を認め、量刑を争う方針を明らかにした。
そして、弁護人を通じて、「小西被告が女子高校生の二の腕と背中のあたりを、内田被告が背中を両手で押した」などと当時の状況を説明した。
2月27日に開かれた初公判で小西被告は。
「起訴された内容に間違いはありませんか」(裁判長)
「間違いありません」(小西被告)
起訴内容を認めた小西被告。
そのうえで弁護側は「積極的に犯行に及んだのではなく、従属的に行なった。内田被告の意に沿うよう顔色を見ながら行動するのが日常だった。しかし、いかなる判決も認め、一生をかけて罪を償う」と主張。
一方の検察側は「小西被告は、内田被告の暴力で支配されていたわけではない。元恋人とのもめ事を内田被告に仲裁してもらったことなどに恩義を感じ、仲間意識から主体的に加担した」などと指摘した。
2月28日は主に証拠調べが行われ、判決は3月7日に言い渡される予定だ。