移住の希望地ランキングが発表され、群馬県が初めて全国で1位となった。その群馬県の中でも注目されている街はどこなのか、取材した。

群馬県知事も喜び爆発

東京・有楽町で移住の支援相談を行う「ふるさと回帰支援センター」。

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このNPO法人が25日に発表した移住の希望地ランキングで、群馬県が4年連続で1位だった静岡県を抜き、初めて1位となった。

ふるさと回帰支援センター・ぐんま暮らし相談員の藤田正治さんは「10年前に相談員だった頃は、本当に東京またはその近辺の方がほとんどで。最近は全国から北海道から沖縄からも相談が群馬県に来る。最近の傾向は30〜40代で子育てを自然の中で行いたいという方が増えている」と話す。

移住の促進に力を入れてきたという知事も、この快挙に喜びを爆発させている。

群馬・山本一太知事:
この度、2024年の移住希望地ランキングが公表され、群馬県が全国1位となりました。ついに念願を果たすことができました。知事としてこんなに嬉しいことはありません。

なぜ群馬県が移住希望先のトップに立ったのか。イット!は群馬で注目を集めている街を取材した。

向かったのは、県のほぼ真ん中に位置する吉岡町。人口増加率は県内トップで、将来的には“群馬県で唯一人口が増加する自治体”になると予測されている。

吉岡町の人も「新しい家がどんどん建っていて、(学校の)教室が足りなくなっちゃって。地震もないし水害もない。安心して住める場所なので移住される方が多いんじゃないかなと思う」と、移住者の増加を実感していた。

群馬県は地震が少ないのも特徴の一つ。過去100年間に起きた震度4以上の地震は77回で、東京のわずか7分の1ほどにとどまっている。

そうした安心感に加え、町の人からは土地が安く、利便性も高いというアピールポイントも挙げられた。

吉岡町民:
土地を選ぶとき、前橋か吉岡かと思ったときに、前橋より吉岡の方が地価が安いし。何しろいっぱいあるんですよ、温泉が。

土地だけでなく、群馬県の物価は全国でも3番目の安さで、関東ではダントツで一番だ。

特に吉岡町は、県庁所在地の前橋市に隣接するベッドタウンでありながら、伊香保や草津、万座といった全国有数の温泉地にも行きやすい位置関係にある。

季節ごとにアウトドアスポーツも満喫「子供も楽しんでくれている」

実際に群馬県に移住をしてきた人は、どのような生活を送っているのか。
イット!が訪ねたのは、2024年1月に東京からみなかみ町へと移り住んだ毛利英人さん(38)ご夫婦。

毛利さん:
そのまま東京にいるっていう選択肢はなかったね。
奥さん:
そうね。そうね。

3人目の子どもが生まれるタイミングでみなかみ町に移住してきたといい、会社の理解もあり、同じシステムエンジニアの仕事をリモートワークで続けながら、週に2回ほど都内に通う生活だという。

みなかみ町といえば関東有数の豪雪地帯というイメージがあるが、場所によってはそうでもないという。

毛利さん:
この辺りはそんなに多くなくて、雪かきをしても年に3回とか4回とかそれくらいのなので、移住してきた者としてはまだ楽しめる範囲じゃないかなと思います。

また、実際に移住するとなると、地域の社会にうまく溶け込めるかという点も気になるところだが、その辺りはどうだったのだろうか。

毛利さん:
今回移住する前にみなかみ町の移住コーディネーターさんがついてくださって、少し間を取ってくれる方がいたので、すごくスムーズに挨拶もできて。周りの方も良い方ばかりで。子供らも楽しんでくれているなというふうには思います。

夏はカヌー、冬はスキーなど、季節ごとにアウトドアスポーツも満喫するようになり、自然豊かな環境を家族で楽しめているという。
(「イット!」2月26日放送より)

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