“金利のある世界”に入って間もなく1年になるが、ついに普通預金の金利も上昇している。あの手この手のユニークな金融商品も登場していて、自分に合った商品が見つかるかもしれない。
普通預金の金利上昇…ターゲット絞った商品も登場
普通預金をめぐっては、3月からメガバンクがそろって金利を現在の0.1%から倍の0.2%へ引き上げ、実に17年ぶりの水準になる。
こうした動きはメガバンクだけではない。他にも、あおぞら銀行では普通預金が0.35%、東京スター銀行でも3月から「給与や年金の振込口座に指定する」など条件はあるものの、普通預金の金利を0.6%にする。
さらに、ターゲットを絞った商品を出した銀行もある。

SBI新生銀行では60歳以上を対象に金利を0.4%に引き上げる。退職金などで資産が増える世代の顧客を狙った商品で、通常の金利も3月から0.21%に引き上げられるが、その2倍近い水準だ。
SBI新生銀行 中嶋浩未さん:
非常に多くの反響をいただいております。お客様のお申し込みに関しては、通常の約5倍となっております。どこの銀行もお客様の預金獲得には力を入れておりまして、当行としても、まずは預金の金利といったところでお客様に良い金利をご提供したいと思っています。
資金の争奪戦が激化
今、こうした資金の争奪戦が激化しているという。

智田裕一フジテレビ解説副委員長:
各銀行はお金を貸し出すビジネスで利益を上げていくため、元手となる資金を預金という形で集める動きを強めています。預金を入口に、様々な金融サービスに利用客を囲い込んでいく。これがさらなる狙いです。
そして、さらに金利が上昇していて、注目なのが定期預金だ。

1年ものの定期預金では、UI銀行で新規口座を開設すると金利は1.1%。他にも多くのネット銀行や地方銀行でも、1%の大台に引き上げを行っている。
さらに、こんな金融商品まで…。
広島銀行 清宗一男頭取:
サンフレッチェの皆さんには勝利を重ねていただき、金利の上乗せとダブルの喜びが味わえますように、ぜひ優勝を目指して頑張っていただきたい。

広島銀行では、サッカーJリーグ・サンフレッチェ広島の1年間の優勝タイトルの数によって、金利が変わるという「超がんばれ!!!サンフレッチェ広島 定期預金キャンペーン」。3大タイトルを全て制すれば、最大2%の金利が上乗せされる。

例えば、500万円を預けるとなると、金利1%なら年間で5万円、2%なら10万円の利子がつくという。
定期預金は「細かく短く」金利は今後も上昇?
定期預金を今選ぶときのポイントについて、智田裕一フジテレビ解説副委員長は「細かく短く」としている。

金利が上昇しているときには、次々に金利の良い商品が登場する可能性があるため、途中で解約しても損がないよう、何口かに細かく分けたり、短い期間で乗り換えていくというのが一つの手だという。
そして、一番気になるのは、やはりこの後、金利がどうなっていくのかということ。

智田解説副委員長によると、2025年に日銀はあと2回、夏ごろと年末に金利を上げる可能性が取り沙汰されていて、日銀の政策金利が1%になった場合、メガバンクのこちら普通預金の金利が0.4%に上がるのではないかという観測も出ている。
(「イット!」2月26日放送より)