コメの価格が高騰する中、宮崎2区選出の江藤拓農林水産大臣は初めて流通円滑化を目的とした備蓄米21万トンの放出を発表した。宮崎県の消費者は価格の値下がりに期待を寄せる一方で、放出の必要性に疑問を持つ意見も。生産者は「米だけは潤沢に食べてほしい」と話す。

備蓄米放出へ 江藤大臣の決意

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コメの価格が高騰する中、宮崎2区選出の江藤拓農林水産大臣は2月14日、流通の円滑化を目的として政府の備蓄米21万トンを放出すると発表した。

江藤拓農相:
販売数量は21万トンとする。これは流通が滞っている状況をなんとしても改善したいという強い決意の数字だと受け止めていただきたい。

備蓄米の放出は、初回は15万トンで、3月半ばから引き渡しを始める。その後、卸売業者を経て、店頭に並ぶ見通しだ。

江藤拓農相:
一番私としてやりたくなかったことは、農家の方々の生産意欲をそぐこと。やはり国が介入をして、下がってしまったというのもですね。ただ、地元の方々も、「今の値段は困る」と言っていた。「今の値段で続くと、さすがに米を食わんごとなるやろう」と。宮崎弁ですが。

農林水産省のまとめによると、全国約1000店舗のスーパーにおけるコメの平均価格は、1月27日~2月2日までの1週間が5キロあたり3688円、前週に比べ38円上昇、前年同時期に比べ1665円高くなっている。

江藤大臣は、「需要に見合うだけのコメは確実にあるが、流通に問題がある」と指摘、今後、必要に応じて21万トンからさらに拡大することも検討するとしている。

生産者と消費者の反応は?

消費者や生産者は今回の動きをどのように見ているのだろうか。宮崎県内有数の米どころ・えびの市で聞いた。

消費者:
賛成。ありがたい。そして、またお米をどんどん作ってもらって、備蓄してもらえればいい。

消費者:
少し価格が下がると言っているから、いいと思った。やっぱり農家の人たちもたくさん作るからお金もいっぱいかかって大変でしょうけど、やっぱり少しでも安くなった方がいい。

中には、備蓄米の放出に疑問をもつ人も…。

消費者:
今備蓄米を出す必要があるのかなと思う。大事なものだから取っておいてもらって、いざ何かあった時に出してほしい。

えびの市で稲作を行う本坊照夫さんは…。

本坊農園 本坊照夫会長:
本当は正月前まで在庫がないといけないが、それも全部すぐに売り切れちゃって、本当にどこに行っているのか私たちにもわからない。

コメの値上がりが続くことで、コメ離れにつながることを懸念している。

本坊農園 本坊照夫会長:
国の判断として備蓄米を出してもらって、みなさんに潤沢に米だけは食べてほしい。米離れしてほしくないですから。

今回の備蓄米の放出で、流通は改善し、店頭価格は下がるのか。行方不明のコメは見つかるのか?コメから目が離せない。

(テレビ宮崎)

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