国の補助金の縮小により、値上がりが続くガソリン価格。平均価格が190円前後になると予想され、車の利用者からも運送業者からも悲鳴があがっている。運送業を維持するため、燃料費以外の支出を抑えても、「経営は厳しい」と話す。

過去5年間の宮崎県内のレギュラーガソリンの平均価格を示したグラフを見ると、5年前には140円台だったものが年々上がり続け、2024年は180円に迫った。12月19日の補助金縮小に伴い、最新の調査では、185.2円まで値上がりした。

そして1月16日以降、国の補助金がさらに縮小されるため、ガソリンの価格は、5円程度値上がりし、県内では、190円前後になると予想されている。止まらないガソリン価格の値上がりに、車の利用者からも運送業者からも悲鳴があがっている。
宮崎市内のガソリンスタンドでは

宮崎市内のガソリンスタンド。15日も途切れることなく利用客が訪れていた。ガソリンの値上げが続く中、車を利用する人に話を聞くと、止まらない値上げに対する悲鳴が聞かれた。

ドライバー:
高い高い!高すぎる。(Q.あすから3〜5円上がることをご存知でした?)ひょーーー全然知らん。まだ上がったら大変なことになる。

ドライバー:
あすから5円あがるということで、きょう、満タンにしようと思って来た。生活に欠かせないので、節約のしようがない。
一方、ガソリンスタンド側も、国からの補助金が縮小するため、値上げを余儀なくされている。

エムアール石油宮崎店 中原誠副店長:
会社からは3円ほど値上げするという報告は受けている。お客さんからは『これから先、どこまでいくんでしょうか』という質問はよく受けるが、現場でも、会社でも、わからないのが現実。
運送会社は「存続の危機」

ガソリン価格高騰の波は、運送会社にも押し寄せている。宮崎市高岡町にある運送会社では、バスやタクシー事業のほか、長距離トラックを運行し、野菜や雑貨などを東京まで運んでいる。

山口運送 山口登幸社長:
1リットルあたり約20円くらい、おととしからすると、上がっている。
宮崎と東京の往復で使うガソリンは1台あたり約1000リットル。燃料費の支出だけで月に3000万〜4000万円に上る。その分を運賃に転嫁したいところだが、農家も燃料費高騰に苦しむ中で簡単に運賃は上げられず、難しい現状に直面している。
山口運送 山口登幸社長:
運賃は上がっても、ほんとちょっとぐらい。上がったらすぐ燃料が上がる状態なので、なかなか難しい。

そこで、こちらの運送会社では、燃料価格をできるだけ抑えようと、燃費の良いトラックを購入したり、各営業所に給油所を設けるなどの工夫を行っている。また、タイヤの交換や車検を自社で行うなど、燃料費以外の支出も抑える取り組みを行っているが、「経営は厳しい」と話す。
山口運送 山口登幸社長:
今後、運搬していくのに、存続できるか、というところまで来ている。
私たちの生活に密接に関わるガソリン価格。どこまで値上がりするのか、先の見えない不安がありながらも、その影響を少なくしようと努力する企業の姿があった。

ここで、年間でいくらガソリンに支出しているか見てみる。国の家計調査によると、2023年の宮崎市の1世帯あたりのガソリン支出額は、年間8万230円だった。ちなみに東京23区は2万2170円。政府の補助金縮小により、今後 さらにガソリンへの支出額は多くなることが予想される。
ガソリン代を抑えるポイントは?
ポイント①「ふんわりアクセル」
時速20キロまで5秒かけて発進すると、燃料消費を抑えることができる。
ポイント②「加減速の少ない運転」
一定の速度で走ると燃費が良くなる。ブレーキや加速をなるべく控えることが大切。
ポイント③「早めのアクセルオフ」
赤信号などで停止する際は、早めにアクセルから足を離す。エンジンブレーキを使って燃料を使わない状態にすることも有効。

資源エネルギー庁の資料を参考にすると、この3つの方法で、年間およそ2万4200円を 節約できる計算になるという。この節約は大きい。燃費の良い運転を心がけることに加え、近場への移動は車を使わない、公共交通機関を利用することも考えてみては。
(テレビ宮崎)