日本維新の会の岩谷良平幹事長らは、兵庫県議会の維新に所属する増山誠議員が、非公開とされた斎藤知事の疑惑を調査する百条委員会の証人尋問の音声データを、NHK党の立花孝志党首に対し提供したこと、同じく岸口実県議が、立花党首に「県議が黒幕」とされる文書が渡された場に同席していたことについて、事実として認定した。
そのうえで「兵庫維新の会」として党紀委員会を設置して、2人を近く処分する方針を示しました。
■増山県議「16日面会でのヒアリングでは明言せず、その後電話などでのヒアリングで事実と認める」
まず増山県議に対する日本維新の会による調査は、今月16日に岩谷幹事長や兵庫維新の会の和田有一朗副代表らが面会して実施し、その後電話などでのヒアリングが実施されたということだ。

その際、増山議員は16日の面会でのヒアリングでは明言しなかったものの、その後の電話などでのヒアリングで、音声データの提供は事実だと認めたという。
<ヒアリング内容の抜粋(増山県議の話)>
・立花氏に自ら電話し、10月31日にカラオケポックスで面会し、音声をLINEで送った。
・備忘録として持っていた文書を、頂けないかと言われたので、渡した。
・文書の内容は、片山元副知事が百条委員会で発言したこと、元パレード担当課長が自死されたのは斎藤知事のパワハラによるものではないということなど、信用できる情報源から得た情報を記戴していた。
・音声を外部に提供したことについて、百条委員会のルールを破ったことは事実で、謝罪したい。
・動機としては、斎藤元彦知事への批判的な報道が続く中で、真実を世間に知らせることが公益に資すると考えた。
・百条委員会の結果が出た後に、自ら音声提供の事実を公表するつもりであった。
・岸口議員に音声データ流出の疑惑が向けられているため、時期を早めて公表することとした。
■岸口県議「同席したことをもって当該文書を渡したと言われることはやむを得ないと認識している」
また岸口県議についての調査は、岩谷幹事長から立花党首への電話によるヒアリングが今月14日に行われ、岸口県議本人に対しては、今月16日に岩谷幹事長・兵庫維新の会の和田副代表らが面会してヒアリングが実施されたということだ。

その結果、「立花氏が岸口県議から文書を受け取ったと主張しているところ、11月1日に知人A氏と共に立花氏に面会し、A氏または岸口氏から当該文書が立花氏に手渡されたことは事実と認められる」と認定した。
<ヒアリング内容の抜粋(岸口県議の話)>
・自身が手渡したかどうか記憶があいまい。
・岸口県議が長年の知人A氏(民間人)からの要請で、文書を立花氏に渡す場面に同席し、当該文書が立花氏に手渡された。
・同席したことをもって当該文書を渡したと言われることはやむを得ないと認識している。
・当該文書の作成者はわからない。
・当該文書の内容については、噂レベルで聞いたことがある話もあったが、知らない内容もあった。
・立花氏を選挙に勝たせようといった意図や、その他特別に深い意図や動機はなかったが、 A氏との人間関係の中で、同席した。
・百条委員会の副委員長として、維新県議団の団長(当時)として軽率な行動だったと考えている。
■「兵庫維新の会」のガバナンス体制を調査へ
こうした調査結果を示したうえで、岩谷幹事長は「兵庫維新の会のガバナンス(=組織管理)体制に問題があったかどうかも含め、ガバナンス委員会を設置して調査する」と表明した。

日本維新の会 岩谷幹事長:個人的な問題というに留まらず、その背景に『兵庫維新の会』のガバナンス体制に何か問題があったかどうかも含めて、しっかりとこれから調査を行って、再発防止に努めなければならないと考えております。
そこで党本部で、わたくし幹事長のもとに、第三者を交えました調査委員会を立ち上げまして、この『兵庫維新の会』としてのガバナンスの問題点・あり方等につきまして、調査を行ない、そしてその結果を出したいと考えております。
なおその結果につきましては、今後、党本部にガバナンス委員会が設置される予定となっております。
■近く増山県議と岸口県議を処分へ
そして処分の権限を持つのは「兵庫維新の会」であることから、金子道仁代表(参議院議員)は、「党紀委員会を設置して、早急に調査の継続、そして処分の決定を行っていきたいと思っております」と述べ、近く増山県議と岸口県議に処分を下す方針を示した。
