自治体の2025年度当初予算案から、注目の事業を紹介します。3日目は岡山市。当初予算案は、一般会計の総額で4093億円と過去最高となりました。25年度は、さらに未来の岡山のまちの様子が見えてきそうです。
(岡山市 大森雅夫市長)
「令和7年度当初予算案、より誇れるまち岡山へ」
岡山市の2025年度当初予算案は、一般会計の総額で4093億円、2024年に比べ6・2%アップ、9年連続で過去最高を更新し、初めて4000億円を超えました。岡山市が目指す”より誇れるまち”とは。
(竹下美保記者)
「JR岡山駅前広場です。一般車とタクシーゾーンの入れ替え工事が2月に完了します。いよいよ電車の軌道工事などが進められます」
岡山駅前広場への路面電車の乗り入れ事業では、7億3000万円が計上され、地下街の補強工事や公共交通案内所の整備に入ります。地下街の店舗の移転に時間がかかったことなどから完成は予定より1年半遅れますが、2026年度末の完成を目指して、事業は本格化しています。
(竹下美保記者)
「近くで見上げると高いですね。現在最上階17階までくみ上げられています」
2年前に着工し2026年度の完成を目指す市役所の新庁舎です。地下2階・地上17階建て、6階には防災拠点を整備します。物価高騰を受け事業費は計画より増えて、総額318億円が見込まれています。新年度は127億4000万円を計上しました。
新庁舎では、オンライン手続きなど市民サービスの向上を目指し、スマート窓口の整備を進めていくほか、公園や駐車場など周辺整備を行う事業者の選定手続きに入ります。
約60年、市民に愛されてきた旧岡山市民会館。2024年3月に閉館し、現在解体作業が進んでいます。その跡地は憩いの広場に生まれ変わる計画で、設計費用などに3400万円が計上されました。
再編されたバス路線の運行が始まります。公共交通の維持を目的にしたもので、重複する区間を一本化し、その先の、利用者が少なくなる郊外へは、小型の車両を使って運行します。4月から妹尾・北長瀬線でスタートするのを皮切りに、順次、合わせて17路線の運行が始まります。
新しい事業もスタートです。
不妊治療が保険適用されて初めて市の助成が行われるほか、予期せぬ妊娠など若者の相談に応じる窓口を毎日開設します。子育て施策に力を入れ、引き続き課題解決に取り組みます。2027年度までの解消を目指す放課後児童クラブの待機児童問題には、支援員の処遇改善に取り組む他、民間事業者への補助などで、人員と受け皿を増やします。
高齢者の重症化を防ぐため国が定期接種を決めた帯状疱疹のワクチン接種では、市民の負担軽減に取り組みます。
(入学希望者)
「70歳を過ぎているが、青春みたいな気持ちで楽しみにしている」
義務教育が十分に受けられなかった人たちの学びの場。岡山市に初めて設置される公立の夜間中学がいよいよ開校します。
このほか、126ある全ての市立学校に防犯カメラを設置し、市民の安心・安全なまちづくりを推進します。
(岡山市 大森雅夫市長)
「大きく市民の心の充実が 増していくことを期待している」