旬を迎えているイチゴの園地では、寒波の影響もあり、温度管理のための暖房費がこれまでに経験がないほどかさんでいて、何重もの負担増に頭を悩ませている。高止まりしている燃料費の影響を取材した。

今シーズン燃料費は400万円超か

真っ赤に実り、今が食べ頃のイチゴを楽しめる山形・寒河江市の観光イチゴ園・ストロベリーファームには、19日、香港からのツアー客が訪れ、摘み取ったばかりのイチゴを味わっていた。

摘み取ったばかりのイチゴを味わう外国人観光客
摘み取ったばかりのイチゴを味わう外国人観光客
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多くの観光客を迎えている一方で、今シーズンの営業には、経験がないほどの暖房に使う燃料費の負担がのしかかっていた。

イチゴ栽培では、ハウス内の温度を8度以上に保つ必要があるため、気温がグッと下がる朝晩の温度管理に暖房が欠かせない。その一方で、政府による石油元売りへの補助金が縮小し、燃料費が高騰している。

ストロベリーファームの武田幸太郎さんによると、この園は、暖房を9台設置しており、1日に使う重油の量は500リットル前後だという。暖房に使う重油の価格は、昨シーズンと比べて1リットル当たり10円近く上がり、燃料費の合計は昨シーズン350万円だったが、今シーズンは400万円を優に超える見通しだという。

武田さんも「ずっと高止まりで、何とかならないかというのが本当の気持ち。まだまだ上がりそうで心配している」と不安を感じていた。

“入園料値上げ”も効果はわずか

負担となっているのは重油だけではない。寒波の影響などでハウスの駐車場に積もった大量の雪を除雪するための軽油も、例年と比べてかなり量が増えているという。

さらに、最低賃金のアップに伴い人件費が増加したほか、小売り用のパックや段ボールなどの資材も全て仕入れ価格が上がっているため、今シーズン入園料の「100円値上げ」に踏み切った。それでも、負担を減らす効果はわずかだ。

「ほかの産地と比べても入園料は安い方だと思う。不便な田舎に来てもらうので、できるだけ価格を抑えたい」と武田さんは話す。

今のところ、下がることが期待できない燃料費。武田さんは来シーズンから、日本人よりも外国人観光客の入園料を高くすることを検討しているという。

(さくらんぼテレビ)

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