福岡・北九州市に君臨する、特定危険指定暴力団・工藤会。
関わったとされる4つの市民襲撃事件で、殺人の罪などに問われている会のトップ野村悟(73)被告と、ナンバー2の田上不美夫(64)被告の裁判が福岡地裁で続いている。

裁かれているのは4つの事件。
1998年の漁協元組合長射殺事件、2012年の福岡県警元警部銃撃事件、2013年の看護婦刺傷事件、そして2014年の歯科医師刺傷事件。

ナンバー2 歯科医師刺傷事件で無罪を主張

歯科医師の男性が工藤会系組員に刃物で襲われた事件について、8月28日 福岡地裁で工藤会会長・田上不美夫被告の被告人質問が行われた。

襲われた歯科医師の男性の父親は当時、漁業補償などに強い影響力を持っていた北九州市漁協の幹部。
検察側は、港湾利権の介入を狙った工藤会が、漁協幹部を屈服させるため、息子である歯科医師の男性を襲ったと主張している。

弁護側:
事件に関与したか?

田上不美夫被告:
いえ、一切関与しておりません

弁護側の被告人質問に、田上不美夫被告は無罪を主張。

検察側の質問には…

検察側:
会長として、組員が事件を起こした事についてどう考えているか?

田上不美夫被告:
被害者に対して、すみませんという気持ちはあります

「うちの会が危険とは思ってなかった」

検察側:
事件の責任もあって工藤会を解散させることは考えているか?

田上不美夫被告:
譲られてきたもの、私の代で勝手に決めるものではない

検察側:
会長を辞めるつもりは?

田上不美夫被告:
今の時点ではありません。また辞めるべきとも思いませんし、執行部と話さなきゃいけないことがたくさんあると思っている

検察側:
5代目工藤会は、平成24年に特定危険指定暴力団に指定。全国で初、唯一。暴力団については指定暴力団と指定されることもあるが、特定危険指定暴力団はどういう場合に指定されると認識しているのか?

田上不美夫被告:
公安委員会が決めたこと。うちの会が危険とは思ってなかった

検察側:
指定されたことにはどう思った?

田上不美夫被告:
危険なことするのは全国にあると思う。なんでうちがそう指定されないといけないのかと言う気持ちはあった

トップもあらためて関与を否定

続いて9月3日、同じく歯科医師刺傷事件について、工藤会総裁・野村悟被告の被告人質問が行われた。

弁護側:
事件について、命令したり指示したりしたことはあるか?

野村悟被告:
ありません

弁護側:
承諾したことは?

野村悟被告:
ありません

弁護側:
関与したことは?

野村悟被告:
全くありません

弁護側:
気にならなかったのか?

野村悟被告:
関わらないようにしていた

弁護側:
総裁に権限はあるか?

野村悟被告:
ありません

検察側:
誰が関与したか、調査したか?

野村悟被告:
していない

検察側:
田上被告に調査するように指示は?

野村悟被告:
一切ありません

検察側:
工藤会を解散するつもりは?

野村悟被告:
そういう権限はない。そういう意見を述べることもできない

検察側:
一般人が刺されることは?

野村悟被告:
気の毒に思う

検察側:
ほかには?

野村悟被告:
よくわかりません

野村被告は、あらためて無罪を主張した。

今回の公判で実質的な審理は終了し、次回は2021年1月に工藤会トップ2人に対する論告求刑公判が、そして3月には最終弁論が行われる予定だ。

(テレビ西日本)