警視庁公安部長が電撃更迭
警察官が警察のトップを撃った可能性があったにも関わらず、それを隠蔽し続け極秘裏に取り調べを行っていたのは、この事実を闇から闇に葬るためだったのではないか、身内を庇おうとしたのではないかとの疑念がマスコミ各社から巻き起こる。
しかも嘘までついて隠そうとした。

オウム信者の警察官が地下鉄サリン事件の特捜本部にいたことから、重大な情報漏洩があったのではないかとの疑惑の目が警察全体に向けられたのも、至極自然であった。
未曽有の事態に、ガタガタになった体制を整える人事の刷新が行われる。
10月28日、まず桜井公安部長の更迭が発表された。電撃的な処分人事だった。

この日、緊急会見を行った国松長官は「事件の裏付け捜査の進め方に関して、捜査指揮官に迷いがあるような印象を受けた。このため事件本位で邁進できる人物を起用して、真相解明に必要な指揮体制をとった」とした。
報告が遅れたことについて国松長官は「X巡査長の供述の変遷、事実と食い違う点も多く、難しい判断だったと思う。全国警察が警察庁特別手配容疑者を追っており、もっと早く報告して欲しかった。しかし今は事件解決が先決」だと述べ、公安部長更迭人事が報告の遅れによる引責人事ではないと表向きは装った。