14日、水原希子さんと篠田麻里子さんの俳優2人が臨んだのは映画やドラマの発表会ではない。「人にも地球にもやさしいコスメ」サステナブルコスメアワードの表彰式だ。

2019年にスタートした「サステナブルコスメアワード」
2019年にスタートした「サステナブルコスメアワード」
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サステナブルコスメアワードは2019年にスタート、原料生産から廃棄まであらゆるプロセスを含めた製品のライフサイクル全体を評価・審査しサステナブルなコスメを表彰する。

「竹水フェイスミスト」でSILVER賞を受賞した水原希子さん
「竹水フェイスミスト」でSILVER賞を受賞した水原希子さん

水原希子さんは、竹が成長する際に地中から地下茎を通して吸い上げた水を使った「竹水フェイスミスト」でSILVER賞を受賞。       

竹水とは、竹が成長する際に地中から地下茎を通して吸い上げた水のことで、採取できるのは4月から5月の間のわずか20日間ほどのため、貴重なものである。

「もしかしたら自然を苦しめて…」きっかけは役作り

「驚いて気絶してしまいそう」と受賞の喜びを語った水原さんは、なぜコスメを作ろうと思ったのか。それは、ある映画への出演がきっかけだったという。

ナチュラルコスメ作りのきっかけはダイビングをした際に自然に癒されたことだと話す水原さん
ナチュラルコスメ作りのきっかけはダイビングをした際に自然に癒されたことだと話す水原さん

水原希子さん:
(映画出演で)ダイバー役だったので、ダイビングの免許取らなきゃいけなかったのですが、その時、すごく自然に癒されて…。でも、私たちがつける日焼け止めや曇り止めなどは、結構ケミカルを使っているものが多いじゃないですか。自然からすごく癒しを受けているのに、私が自然を楽しめば楽しむほど「もしかしたら自然を苦しめているかもしれない。それはフェアじゃないな。すごく嫌だな」って思ったんですね。そこで、日本の植物を使った自然由来成分100%を目指した、ナチュラルコスメを作りたいと思いました。

また、水原さんは増えすぎた竹を使用することで、防災対策や環境問題にも役立てたいと考えたという。

竹の繁殖力は非常に強いが、地表浅くにしか根をはらない。このため、竹が増えすぎた山は地盤が弱くなり土砂崩れのリスクも上がるほか、成長スピードが速い竹の影で太陽光が届かなった他の木が枯れてしまうなども問題が起きるからだ。

増えすぎた竹を使用することで防災対策や環境問題にも役立てたいと考えたという
増えすぎた竹を使用することで防災対策や環境問題にも役立てたいと考えたという

水原希子さん:
これはすごい大問題だなって思いました。だから、竹を使った一石二鳥の、美容にも良い、環境問題にも良い商品を作れるのは、素晴らしいことだなと思って。

「yokayoボディミルク」で審査員賞の地方創生部門を受賞した篠田麻里子さん
「yokayoボディミルク」で審査員賞の地方創生部門を受賞した篠田麻里子さん

俳優でタレントの篠田麻里子さんは、生まれ故郷である福岡県・糸島の温泉水、酒粕、甘夏を配合した天然由来成分100%の「yokayoボディミルク」で審査員賞の地方創生部門を受賞した。

「私自身、アトピーに悩んだ」コスメを通じて親子の触れ合いも

篠田さんがコスメを作ろうと思ったきっかけは、自身が悩んだ幼少期にあるという。

幼少期にアトピーで悩み製品の“透明性”が大事だと話す篠田さん
幼少期にアトピーで悩み製品の“透明性”が大事だと話す篠田さん

篠田麻里子さん:
私自身、幼少期に結構アトピーで悩んだ経緯があって。安心安全で透明性のあるブランドを作りたいなと思って始めたのがきっかけです。私自身が子育てをする時に、たくさんある製品の中でどれを選べば良いのか分からなかったんですよね。なので、どんな場所で、どういう素材を使って作っているかという透明性にこだわって、原料から生産まで糸島で行っています。

コスメを通じた親子の触れ合いについても話した。

親子の触れ合い大事にしたい気持ちも込めているという
親子の触れ合い大事にしたい気持ちも込めているという

篠田麻里子さん:
「yokayo(ヨカヨ)」って逆から読むと「oyako(親子)」って読めるようになってるんですけど、親子で触れ合う肌時間、そういう親子時間を大事にしたいっていうのを裏テーマに作っているブランドで、赤ちゃんから大人まで家族で使える製品です。娘も、もう今4歳なので自分で塗ることができるし、女の子なので、ママの真似したい時期で、一緒に塗ったり肌ケアしたり。そういう親子時間、抱きしめる時間もそうだし、肌が触れ合う時間をすごく大事にしてほしい、大事にしたいなっていう気持ちも込めています。

「地球も私もきれいになる」が当たり前の時代に

サステナブルコスメアワードは、2025年から審査対象を洗剤など家庭用品にも拡大、審査員長の岸紅子さんはコスメとともに「さらにサスティナビリティを推進していきたい」と話す。

「地球も私もきれいになる」製品が当たり前になっていくことが大事だと話す岸さん
「地球も私もきれいになる」製品が当たり前になっていくことが大事だと話す岸さん

サステナブルコスメアワード審査員長 岸紅子さん:
地球を汚しながら、自分たちをきれいにするじゃなくて、地球も私もきれいになる、そういう製品が当たり前になっていくって、いうことが大事なことだと思っています。

そして、岸さんは「サステナブルな世界が当たり前になってほしい」としてこのアワードは2030年に終了させる考えだ。

それぞれの“コスメ”への思い

最後に、水原さんと篠田さんにとって「コスメとは何か?」を聞いた。

コスメは「食べ物と一緒」だという水原さん
コスメは「食べ物と一緒」だという水原さん

水原希子さん:
私にとっては食べ物と一緒です。経皮吸収するので、安心できるもの、本当に好きと思えるもの、癒されるなっていうふうに思えるもの、自然の恵みを感じられるような、そういうものがいいなって思います。

さらに、水原さんは「いろんな方がメイクや、コスメティックスを楽しむことは、毎日目まぐるしく生きていく中で、癒しや自信に繋がるので、コスメっていってもあなどれないというか、実はすごく自分を癒してくれているものだったりするので、とても大事なことだと思います」と話す。

「肌を守ってくれる“シンプル処方のもの”が一番大事」という篠田さん
「肌を守ってくれる“シンプル処方のもの”が一番大事」という篠田さん

篠田麻里子さん:
コスメっていろいろな種類あるじゃないですか。守るものもあれば攻めるものもあったりとか。私自身は肌が弱くてなかなか攻めのコスメは使えないのですが、原料、素材が大事で、(肌を)守ってシンプル処方のものが一番原点、大事なんじゃないかなと思っています。自己治癒力、自分自身が持っている力を、ふんだんに使って。

年齢、性別を問わず様々な人が、日々使用する“身近な存在”であるコスメ。
癒されたり、自信をくれるだけでなく、サステナブルな製品ゆえに環境に思いをはせることができ、地方経済に貢献しながら親子の触れ合いを生み出すなど、その役割はさらに広がっていくのだろう。
(フジテレビ経済部長 小川美那)

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て、都庁担当、経済部長。