女性がいきいきと活躍できる環境づくりに取り組んだ長崎県内3つの企業と法人が表彰された。人事考課や職種で性差なく、男女ともに育児休業を取得するなど、働く環境の整備や仕事と家庭の両立支援制度の推進などが高く評価された。

「女性が活躍している企業」で3社が大賞受賞

2024年度の「ながさき女性活躍推進企業等表彰」の大賞となったのは、「松栄グループ 有限会社」「社会福祉法人 長崎県社会福祉協議会」「株式会社 朝日ネットCSセンター長崎」だ。

3企業と法人が「大賞」を受賞した
3企業と法人が「大賞」を受賞した
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表彰は10回目で、これまで33の企業等が受賞している。該当企業等は女性の管理職登用が進んでいたり、子育てと仕事を両立するための制度を設け利用率も高いなど「女性が活躍している企業」として高い評価を受け、受賞につながっている。

「子連れ出勤」などライフスタイルに合った働き方

「松栄グループ有限会社」は西彼長与町で高齢者施設を運営している。正社員は男性が3人、女性が16人で、女性が全体の84%と高い割合を占める。

「松栄グループ有限会社」は高齢者施設を運営している
「松栄グループ有限会社」は高齢者施設を運営している

職種や人事考課、採用での性差はない。育児休業取得率は100%、育児や介護等での有給休暇は、時間単位で取得が可能だ。

グループホーム長の山本郁子さんは、開設当時から働く介護福祉士だ。2人の子供の母親でもある山本さんは、仕事と子育ての両立で直面する課題が出てくるたびに上司に相談し、両立しやすい制度の創設や変更などを行って就業規則の改訂につなげてきた。

会社は一人一人の声を聞き、困った時に相談し合える環境が整い、育児時短や時間単位の有給休暇の取得などを実現させた。現場で活躍している女性が個人のライフスタイルに合わせて仕事を継続できるようになることでやりがいも生まれ、施設入所者へのより良いサービスにもつながっているのだ。

山本さんが何より助かったのは「子連れ出勤」。子供は元気なのに、台風などで保育園や学童が休みとなり、仕事を休むわけにはいかず子供の預け先に困るケースが多々ある。その際は子連れでホームへ出勤し、子供も入所者と一緒に過ごすことが可能だ。高齢者は子供が来て大喜び、子供も様々な世代の大人と関わることができ、何よりお母さんが安心して仕事ができることで、やりがいにつながったと山本さんは話す。

松栄グループでは、今後は電子カルテなどのICTを導入し、人と心を持って関わる業務に集中できるよう、効率化を図れる領域で職員の負担軽減を進めたいとしている。

リフレッシュ休暇やアンケート重視のオフィス作り

社会福祉法人長崎県社会福祉協議会は、入社後すぐに5日間のリフレッシュ休暇が付与されたり、入社1カ月後には3日間の有給休暇が付与される。子育て世代だけでなく、すべての職員のワークライフバランスを考慮した制度も充実している。

株式会社朝日ネットCSセンター長崎は、オフィスの移転にあわせて社員アンケートを実施。より良いコンディションで働けるよう社員の声を活かしたオフィス環境作りを行うことで、会社や仕事に対しての誇りを持ち、エンゲージメントを高めるきっかけになっている。

「ながさき女性活躍推進企業等表彰」は、経済団体や県などで作る「ながさき女性活躍推進会議」が行っている。女性の登用や能力開発などに積極的に取り組み、女性が職場でいきいきと活躍している企業や団体などを表彰することで、女性の活躍を推進する気運を高めることが目的だ。

会員企業からなる「女性管理職ネットワーク会」を発足
会員企業からなる「女性管理職ネットワーク会」を発足

表彰を始めて10年が経過した。推進会議は「法整備や企業努力で環境整備が進み、女性がキャリアを諦めない意識が醸成されて管理職をやってみたいという女性も増えてきたと感じる。今後は意思決定層への女性の登用とパイプラインの構築が重要になるので、企業同士で繋がれるようすそ野を広げていきたい」としている。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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