経営統合に向けた協議を続けてきたホンダと日産自動車だが、13日、協議の打ち切りが正式決定した。日産については、台湾のホンハイが買収するのではないかという報道も出ているが、そのホンハイで、日産との交渉役を担う日本人がいる。一体どんな人物なのかーー。
ホンハイ会長「買収ではなく協力が目的」
夢の統合は幻に…。
ホンダと日産が、経営統合に向けた協議の打ち切りを正式に決めた。

13日午後、ホンダの三部敏宏社長は会見で「結果として、両者が納得できる合意点を見いだすことができなかった。大変残念だと思っている」と述べた。

経営統合に向け、2024年12月ホンダと日産が協議を始めたが、その後、ホンダが100%子会社化を提示すると日産が強く反発。協議は一転、破談となったのだ。

経営危機を迎えている日産は今後、どうなるのか。

注目を集めるのが、日産を買収するとの観測も出ている台湾の電子機器メーカー、ホンハイ精密工業だ。

12日、ホンハイの劉揚偉会長は、日産の筆頭株主ルノーと日産株の取得について協議していることを認めたうえで、「買収ではなく協力が目的」と話した。
かつてのナンバー3…日産知り尽くした人物・関潤氏
そのホンハイで日産との交渉役を担っているのは、実は日本人。
しかも、かつて日産のナンバー3まで上り詰めた、日産を知り尽くした人物なのだ。

名前は、関潤氏。
5年前、現在の内田社長の隣で日産のナンバー3として会見に同席し、内田社長に紹介されて、中国で事業を担った経験を語っていた。
日産 副COO(当時)・関潤氏(2019年12月):
2013年から5年間、中国での合弁(会社)での経験を経て(車を)売ることの難しさを十分経験してきました。

関氏はその後ラブコールを受け、社長として大手電機メーカー・日本電産に移籍し社長に就任。
さらに2年前にホンハイにヘッドハンティングされ、電気自動車事業のトップを務めている。
ホンハイと日産提携に専門家「次世代EV…シナジー効果ある」
ホンハイが日産と手を組む狙いはどこにあるのか。

経済ジャーナリストの井上久男氏は「開発・生産でEV(電気自動車)のノウハウをグローバルに持つ日産と協力・買収すれば、安価で性能もそこそこ良い次世代ロボットカーやEVが出る。そういったシナジー(相乗)効果があると思う」と指摘する。
統合撤回で、日産の今後はどうなるのだろうか。
(「イット!」2月13日放送より)