秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまは京都府を日帰りで訪れ、戦後シベリアなどから引き揚げた人たちに関する記念館を見学されました。

12日昼過ぎ、悠仁さまは舞鶴市にある「引揚記念館」を訪問されました。

軍港があった舞鶴では、戦後シベリアをはじめ、海外に取り残された約66万人が帰国しています。

シベリアに抑留された人たちが着ていたコートなど、当時の資料を展示する記念館には、8年前に秋篠宮ご夫妻が訪問されていて、筑波大学附属高校3年生の悠仁さまは、授業がない期間を利用して単身で視察されました。

グレーのスーツ姿の悠仁さまは、戦争体験を未来に語り継ぐため、語り部活動に取り組む地元の高校生などから当時の引揚港を再現したジオラマや息子の無事を願って港で帰国を待ち続け歌やドラマにもなった「岸壁の母」などについて説明を受けられました。

悠仁さまは、「シベリアとか向こうの港からどのくらいの距離が?」「今みたいな冬の時期は荒れていると思うのでさらに時間がかかったり乗り心地が悪かったり」などと質問されていました。

舞鶴の人たちが帰還した人たちを歓迎しもてなしたとの説明には「舞鶴の人たちの温かさが」と述べられました。

また、ユネスコの世界記憶遺産に登録されている「白樺日誌」には、シベリアに抑留された人たちが、紙の代わりに白樺の皮を剥いだものを使って、過酷な日々の思いを短歌などにして綴っています。

悠仁さまはソ連兵による持ち物検査をくぐり抜け、奇跡的に持ち帰られたとの説明に何度も頷き、小さな木の皮にびっしりと書きとめられた文字をじっと見つめ、「短歌みたいな少ない文字で効果的に残した面もあるのですかね」などと話されていました。

悠仁さまが単身で地方に出かけるのは2022年、高校入学の節目に伊勢神宮などを参拝されて以来です。

このあと、悠仁さまは、高校生らの案内で港に復元された桟橋を視察されました。

冷たい雨の降る中、シベリアで抑留された人たちなどが船を降り、ようやく祖国の土を踏んだ場所に実際に立ち、同世代の語り部の説明にじっと耳を傾けられていました。

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社会部
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