朝から積雪となった8日の長崎市。開催中のランタンフェスティバルの目玉イベント「皇帝パレード」は中止となり、出演者のトークショーが行われた。皇帝役は宝塚歌劇団の飛翠真凜(ひすいまりん)さん。急遽、皇后と中華街を練り歩く演出となり、絢爛豪華な衣装を身にまとったタカラジェンヌの立ち居ふるまいに、観光客たちは一斉にカメラを向けた。
朝から長崎は積雪 パレードは中止に
長崎ランタンフェスティバルの目玉イベントのひとつ「皇帝パレード」。

当日の8日、長崎はこの冬一番の寒気が流れ込み、朝から積雪1cmを観測、まちなかのランタンもうっすら雪化粧した。午後から予定されていた皇帝パレードは中止となり、トークショーに変更となった。
皇帝と皇后が中華街を練り歩く
2025年の皇帝は長崎市出身で海星高校に通っていたタカラジェンヌの男役・飛翠真凜さん、皇后はレポーター、モデルの明石純美玲さんだ。

会場の湊公園には、トークショー開始前からファンが待機。大阪から駆け付けたという宝塚ファン歴20年の女性は真凜さんの大ファンだ。「音楽学校時代からのファン。ひと際きれいでうっとりする」とその魅力を語りだすと止まらない。長崎のファンも真凜さんの登場を心待ちにしていた。「ダンスが素敵で、地方の長崎から見事タカラジェンヌになったことを誇りに思う」と話し、登場を待ちわびた。

たっての希望で、急きょ会場近くの新地中華街を皇帝と皇后が練り歩く演出が実現した。タカラジェンヌの登場に街はあっという間に人だかりとなった。

真凜さんは可愛らしい笑顔を見せつつ、169cmの長身で男役だけあって、歩く姿は「かっこいい」!
絢爛豪華な中国衣装に身をまとった真凜さんは「宝塚でもこんな衣装を着たことはない」と喜んでいた。

途中で皇后役の明石さんと並んで写真タイム。声をかけながら2人は360度ターンして、沿道のカメラに満面の笑顔を届けた。

その瞬間、中華街はちょっとした舞台のようだった。
自ら志した「男役」は「宝塚にしかない役」
満員の湊公園に皇帝と皇后が到着。

待ちに待った皇帝と皇后のトークショーが行われた。

「ランタンフェスティバルは身近なイベントだ」と真凜さんは語った。
飛翠真凜さん:ランタンフェスティバルの期間中は、高校の帰り道に会場に行くのも楽しみでした。それを思い出して今ワクワクする思い出がたくさんあります。高校生の頃は皇帝になるなんて思っていませんでした。きょう衣装に袖を通した時に素敵な衣装だなと思い、皇帝に選ばれた実感がぐっと込み上げてきました。

ちなみに高校時代はランタンで小籠包をよく食べていたという。イベント会場などで販売されていて、食べ歩きに大人気なのでおススメ。

タカラジェンヌとなってこの春で6年目となる真凜さん。中学2年生の時に長崎ブリックホールで佐世保出身の早霧せいなさんの舞台を見たのをきっかけに、宝塚を目指すようになった。男役は「その時男役だった早霧さんの演技を見て憧れた」という。
飛翠真凜さん:宝塚でしか「男役」という職業がないので、女性が男性を演じることにとても魅力を感じたので、私もなりたいと思いました。
普段から気をつけていることはあるか—
女性をエスコートしたりしています。
タカラジェンヌを目指す人へのアドバイスで、真凜さんは「宝塚を好きな気持ちがあれば大丈夫」とエールを送った。
長崎のおススメグルメについては、長崎伝統の「アレ」だ。
飛翠真凜さん:観光通りにある「吉宗」の「茶碗蒸し」がとても大好きです。今日みたいに寒い日は体が温まって本当においしいです。私が「真凜」という名前ですが、長崎は海がとても綺麗なので、長崎の海もぜひ見ていただきたいです。

中華街を歩くといろんな人から声をかけられて手を振っていた真凜さん。今後は大好きな長崎に貢献したいと語る。
飛翠真凜さん:小さい頃から長崎の山々と海に囲まれて過ごしてきました。宝塚に行くと長崎の魅力をすごく感じるので、これからも長崎に貢献できるように、そして宝塚の魅力もお伝えできたらと思います。

会場で真凜さんの活躍を見届けた海星OBもいた。「かつては海星は男子校だったので、まさか後輩にタカラジェンヌができるとは思っていなかった。これからの活躍がとても楽しみ。キラキラしている皇帝を見られて嬉しかった」と満面の笑顔で話した。

長崎からタカラジェンヌの夢を実現させ、地元に凱旋した飛翠真凜さん。舞台から観客に笑顔で送る視線がキラキラしていた。
宝塚のHPによると、今後の出演予定は、星組公演ミュージカル「阿修羅城の瞳」ファンタジック・タペストリー『エスペラント!』(宝塚大劇場: 4月19日(土)〜6月1日(日)、東京宝塚劇場: 6月28日(土)〜8月10日(日)となっている。宝塚でも長崎をPRして、「長崎の観光大使」としても活躍してほしい。
長崎ランタンフェスティバルは12日(水)まで開催。9日は江戸時代の航海安全の神を唐寺に安置する「媽祖行列」だ。
(テレビ長崎)