2025年2月7日に公表された総務省の家計調査によると、2024年の納豆の購入金額は福島市が7830円で全国1位となった。福島市の納豆の購入金額は2022年まで4年連続日本一だったが、2023年は9位に陥落。念願の日本一奪還を果たした。
歓喜に沸く福島市
毎年実施されている国の家計調査の結果、2位の秋田市に600円あまりの差をつけて福島市が全国1位となった。まさかの9位陥落から一年、福島市では日本一奪還を目指して特設のウェブサイトや納豆グルメマップを作って消費を後押しする取り組み行われた。

喜ぶ福島市の一方、前回1位の盛岡市にある「納豆巻き」が有名な寿司店からは「順位を決められるとやはり1位がいい。1位に返り咲ければ」と今回の結果に悔しさをにじませていた。

全国で巻き起こる納豆旋風。福島市は「納豆のまち福島」のブランド化を進め「トップの座を維持したい」としている。
これまでの福島市・納豆購入額
ランキングを見てみると、福島市はダントツの1位で、1世帯あたり8000円近く納豆を購入している。福島市が2024年に実施した「納豆アンケート」によると、市民の4分の3以上が「納豆が大好き」と回答し、食べる頻度は半分以上が「毎日」と回答している。

ここ10年を見るとほぼトップ3を維持していて、2019年から2022年までは4年連続で1位。しかし2023年、まさかの9位になってしまった。

納豆王国の意地 日本一奪還へ
福島市は、2023年の9位という結果を受けて「日本一奪還作戦」をはじめた。
毎月10日を「納豆の日」に制定し、特産品が当たるキャンペーンを行ったり、市内の飲食店とコラボして納豆の創作料理を提供したりするなど、市民の「納豆熱」をさらに高める作戦を打った。

その結果、世帯あたりの消費額は前回から2000円もアップし、木幡市長は「市民で勝ち取った栄冠だと思う」とコメントしている。
納豆は必需品
その消費を押し上げたスーパーからも、喜びの声が聞かれた。買い物客は「うれしいね。いろんなもの買うけど、納豆は必需品に近い」「子どもが好きなのは『スタミナ納豆』ひき肉炒めてあえて」と話す。

福島市のアンケートによると、納豆を一度に購入する数は「2パック」「3パック」と複数購入が多くを占め、8パックを購入するという強者もいたのだとか。

この店舗では、前回の悔しい結果を受け納豆レシピを貼り出すなどPRを強化し3割ほど販売数をのばしている。
ひきわりブーム到来?
そんな「福島の納豆トレンド」は、ひきわり納豆だという。このスーパーでは売上が前年と比較して約3倍になっている。食べやすさや料理での使い勝手の良さなどが理由と見られている。パワーデポ食品館の大関雅敏副店長は「福島市が一番ということで、今後も売り上げが伸びるのではないか。きっちり商品を展開してアピールしていきたい」と話した。

支出金額で福島市が全国1位だったのは、納豆だけではない。福島といえば「モモ」と「清酒」だが、どちらも1位だった。さらに「まんじゅう」や「卵」「マヨネーズ」なども全国1位だった。家計調査をよく見ると町おこしや商売のヒントも見つかるかもしれない。
(福島テレビ)