全国的な鳥インフルエンザの発生で卵の価格が高騰しているが、新潟県長岡市の老舗洋菓子店ではシュークリームを1個39円で販売する恒例の企画を行っている。客の中には、250個購入する人も見られるなど、店側も客も、これを一つの“お祭り”と捉え、楽しむ姿があった。
“サンキューまつり”39円でシュークリーム販売!
長岡市にある老舗洋菓子店にできた行列は、長岡駅を右手に曲がって、さらに進んだその先に最後尾を知らせる看板が見えてきた。

並んでいる人たちが求めているのは、1個39円のシュークリームだ。
先頭に並んでいた人は、開店2時間前の午前8時から並んでいたという。

シュークリームを39円で販売する『サンキューまつり』は、創業時から続いていて今年で67回目だ。
美松の松井秀明社長は「シュークリームを毎日3万3000個作って、卵は1日1万5000個、毎日割卵を使っている」と話す。
卵の価格高騰も…「お祭り気分でやっている」
このフェアに今年、大きな影響を与えているのが卵の価格だ。
卵の平均卸売価格は、全国で鳥インフルエンザが発生したことで、1月末にはMサイズで1kgあたり305円に。同じく鳥インフルエンザの影響を受けた2023年に次ぐ高い水準となっている。

このため、シュークリームに使用する卵の仕入れ値も2024年に比べ、1割~2割ほど上昇。松井社長は「採算が非常に厳しいのは間違いないと思う」と語る。
それでも、長年付き合いのある業者が卵を確保してくれたことで恒例の企画が今年もスタートした。

採算的には厳しい状況でも、松井社長は「これはサンキューということで売り値が決まっている。仕入れ価格は当然上がるので、お祭り気分でやっている」と話す。
250個購入した人も!客も“行事”楽しむ
お祭り気分は客も同じようだ。
6箱(60個)購入した人は「会社で同じフロアで仕事をしていた人たちに差し上げる」と話し、中には、なんと25箱・250個購入する人もいた。

シュークリームを買った人からは「続けてほしい。一つの行事だから。みんな楽しみにして、これだけ並んでいる」などの声が聞かれた。
卵の高騰にも負けず、もはや“行事”となっている39円のシュークリームを中心に笑顔が広がっていた。
(NST新潟総合テレビ)