人生の3分の1を占めるといわれる睡眠。 睡眠不足は、さまざまな疾患や死亡のリスクを上昇させると言われているが、1月、驚きの研究結果が発表された。
■【動画】睡眠の自覚はアテにならない 「よく寝られた」でも睡眠不足 就寝前のスマホも一因
みなさんの「睡眠」に関する“自覚”は、的外れかもしれない。
■睡眠についての“自覚”を調査

2月に入り…「寒くて朝起きられない!」、「寝ても寝ても、うーん眠い!」と、この季節、悩ましい人も多いのでは?
そんな「睡眠」に関して1月、ある調査結果が発表され、話題を呼んでいる。
『自覚している睡眠の質はアテにならない』
筑波大学はおよそ400人の睡眠時のデータを収集。
対象者に自分の睡眠についての“自覚”を尋ねたところ、「よく寝られた」と思っていても睡眠不足だったり、逆に「睡眠不足」と思っていても、問題がなかったりすることが明らかになったのだ。
■街の人の睡眠の“自覚”を聞いてみた

街の人にもそれぞれの“睡眠事情”を聞いてみた。
(Q.睡眠足りないと思うことは?)
50代:常にです。毎日5時間くらい睡眠時間。
20代:10時間くらい寝てるよな。気持ちいいです!
(Q.いびきとかは?)
50代:めっちゃかきますけど…めっちゃかきます!目覚める時ある、私…。『がっ』って言うとき。いびきかいてたわ!っていう時あるある。
厚生労働省によると、睡眠時間が短いと糖尿病や心疾患などさまざまな疾患を発症するリスクを高め、6時間未満では、寿命が短くなる危険性もあるという。
■本人の“自覚”と「睡眠」を徹底検証

そもそも「いい睡眠」とは一体、何なのか。 なぜ自覚と客観的なデータに違いが出るのか。
と、いうことで「newsランナー」でも、本人の“自覚”と「睡眠」を徹底検証!
協力してくれるのは、大阪市内で睡眠障害などの治療ができる「リブ再生クリニック」。
(Q.寝ている時の自分のことは気付きにくい?)
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:全く無自覚でしょうね。自覚されていない方って結構いるなという感じですね。自覚されないから、ちょっとしたことで眠れなくなったなと困ってやってきて、実はそこに大きな問題が潜んでいるとかはよくあります。
今回は、専門の機材をお借りして、住吉院長の監修のもと睡眠のデータをとる実験をしてみることに。
■入社1年目の秦アナウンサーの睡眠の様子をチェック

そして実験の対象になるのは…。
秦令欧奈アナウンサー:よろしくお願いします!
関西テレビ入社1年目、秦令欧奈アナウンサーだ。
番組では、睡眠データと一緒に、住吉院長に秦アナウンサーの睡眠の様子も見てもらうため、家にカメラを設置。 一晩、様子を観察した。
秦令欧奈アナウンサー:夜ごはん食べまーす。牛丼と豚汁…。あーこぼれましたー。普段しようとしないことするから。
実験とは全く関係ないハプニングもありながら、午後9時すぎに夕食をとり、家事や入浴をして、いよいよ就寝時間に。

睡眠のデータをとる機械をつけた秦アナウンサー。
秦令欧奈アナウンサー:装着が完了しました!見てください、これ。管も伸びて、指にもついております。この状態で寝ていきます!
午前0時ごろ就寝。
翌朝、起床したのは、午前6時54分。
秦令欧奈アナウンサー:夜中2回ぐらい起きちゃったんですけど、合計6時間くらいは寝ていると思います。
装着した機械が少し気になったということですが、睡眠自体はいつもどおりとれたという秦アナウンサー。
■恐怖を感じる驚きの数字 呼吸が108秒止まっている

2日後、結果を聞きに住吉院長のもとへ。
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:寝た時間は340分ぐらい。5時間40分。途中で何回か、脳波的に覚醒している時間が51分。
秦令欧奈アナウンサー:長っ!本当ですか?
自覚なく50分ほど、脳が眠りから覚めていた秦アナウンサー。 さらに恐怖を感じる驚きの数字が!
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:この検査で一番最初に見るところは、無呼吸低呼吸指数。5.1回は軽度の睡眠時無呼吸症候群。止まってる最長時間が108秒になってます」
秦令欧奈アナウンサー:えっえっ!止まってる時間、108秒!108秒という数字はどうなんですか?
リブ再生クリニック住吉公洋院長:よくない。
秦令欧奈アナウンサー:危ないってことですか?
リブ再生クリニック住吉公洋院長:危ないというか長い。これを連発すれば危ない。
108秒の無呼吸という事実。 先生の冷静さとは対照的に秦アナウンサーは、軽いパニックに。
■寝る直前にスマートフォンは睡眠を妨げる

そして、住吉院長に秦アナウンサーの睡眠のようすを見てもらうと。
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:光ってるけど、これは何?
秦令欧奈アナウンサー:スマートフォンですね。
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:30分も使ったんですか。
秦令欧奈アナウンサー:長いですか?
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:直前ですよね。寝る前だから。ブルーライトは、睡眠を妨げると言われてる。それをもろに見てるわけだから。
■汗を吸水しない寝具 汗をかいている自覚がなくても汗をかいている

さらに、住吉院長が気になったのが、寝具。
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:どんな布団なんですか?
秦令欧奈アナウンサー:布団は毛布っぽい感じかな
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:1番よくないと思う。毛布のウール素材、それに類似した素材のものは水分を吸わず吸湿性が薄い。当然、人は発汗するし、ものすごく水分が出ていく。
秦令欧奈アナウンサー:寝てる間に汗かいてるなとは、あんま感じないんですけど。
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:それでもある程度、汗かいてるんです。
寝ている間に汗をかいている自覚がない秦アナウンサーですが、寝ているようすを見てみると…。
秦令欧奈アナウンサー:布団はがしてる…
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:快適じゃないんです、やっぱり。
■自分が思う「睡眠」と違う人多い 自覚していないのが問題

就寝前のスマホ、108秒の無呼吸、汗を吸収しない寝具と、睡眠の質に悪影響の要素がたくさんあった秦アナウンサー。先生の総括は?
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:質も少し悪い。何回も覚醒もしている」
秦令欧奈アナウンサー:…にも関わらず、寝た実感があるというのが、まずいということですよね。
(Q.自分が思う「睡眠」と違う人多い?)
リブ再生クリニック 住吉公洋院長:ほとんどの人そうでしょうね。大丈夫だろうと思っていたら、全然違うということは、よくある。自覚するのに困りが大きくないと自覚しない。睡眠の問題を自覚しないという問題がある。
放置しておくと、病気や死亡のリスクにつながる睡眠不足。 一度「睡眠の自覚」を疑って、検査してみてもいいかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2025年2月3日放送)