女性に人気の雑貨ショップ「PLAZA」は29日、阪急メンズ東京で男性のメイクデビューを促す体験イベントを期間限定でオープンした。
自分に合うコスメや髪型の提案や、テスターなどを使って自由に商品を試せるほか、プロのメイクアップ体験もできる。
専門家は、調査によれば男性化粧品の市場はこの10年間でほぼ倍増していて、成長の伸びしろがあるという。

「興味はあるが恥ずかしい」男性メイク体験イベント

女性に人気の雑貨ショップ「PLAZA」が、男性のメイクデビューを促す体験イベントを始めた。

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29日〜2月17日の期間限定で阪急メンズ東京にオープンしたのは、メンズメイクデビューを応援する体験型コスメイベント「Glow-Up Gameboard by PLAZA」。

イベントを運営するPLAZAによると、メンズメイクへの挑戦に前向きな男性が40%以上いる一方で、1人で美容関連売り場に行くのが恥ずかしいと思っている人が55.5%と、半数以上だという。(メンズ・メイクカップルに関する調査)

そこでPLAZAは、今回パートナーなどと一緒にゲーム感覚でメイクを楽しみ、一歩を踏み出してもらいたいとして、イベントを企画した。
メンズメイク初心者の上中勇樹キャスターが早速体験した。

AIで顔の特徴からタイプが診断される
AIで顔の特徴からタイプが診断される

上中勇樹キャスター:
まずはここで、最新のAI(人工知能)技術を使ったフェイススキャン診断を行っていきます。カメラに顔を向けて……。診断結果が出ました。エレガントタイプだそうです。華やかなイメージがあって紳士的なオーラが特徴ということですね。

診断でのタイプのQRコードを読み取るとコスメを提案
診断でのタイプのQRコードを読み取るとコスメを提案

診断された「エレガントタイプ」と書かれたQRコードを読み取ると、自分に合うコスメを提案してくれる。

上中勇樹キャスター:
ベースメイクは初めてです。これで自分の肌の色合いが変わるのがわかりますね。メンズメイクの入り口に立った気分です。

そのほかにも、似合う髪型の提案やテスターなどを使って自由に商品を試すことも可能。

足下は、“すごろく”のようになっていて、メイクや美容に関するクイズに答えながらゴールを目指す。

ーーQ.クマなどをおさえて健康的な肌に見せたいときに効果的な色は。
上中勇樹キャスター:

効果的な色が何か……。ピンク・ブルー・オレンジ。おそらくピンク?

残念! 正解はオレンジ。血色感をアップさせる色として使われる。

さらに、プロによるメイクアップ体験も――。

上中勇樹キャスター:
今まではワックスで、どう髪の毛をアレンジするかぐらいしか選択肢がなかったので、眉毛を変えるだけで印象がガラッと変わるんだという変化に気づけました。

ゴール地点にはオリジナルフォトブースが設置され、メイクをした新しい自分を記念に残すことができる。
店舗の利用者の約9割が女性だというPLAZA。
今後は、ターゲットの幅を拡大していきたいという。

プラザスタイル 販促宣伝部課長・向原勝也さん:
ファミリーやカップルで来てもらうのに、売り場の中で「俺はいいわ」と、少し遠巻きになってしまうのが非常にもったいないというか、分断されてしまう感じがあるので、そこを違和感なく一緒に見られるような環境になっていったらいいなと思う。

男性のメイク挑戦は身近な人の勧めが後押し

「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤キャスター:
ーーPLAZAの試み、どうご覧になりますか?

一橋ビジネススクール・鈴木智子教授:
歴史をひもとくと、男性が化粧をしなくなったのは明治時代以降のことなんです。江戸時代までは男性も“おしろい”をつけて、おしゃれを楽しんでいました。

これからは、誰もがメイクを楽しむことが再び当たり前になるかもしれない。これを示すデータもあります。

堤キャスター:
ーーそれは、どういうものなんでしょうか?

一橋ビジネススクール・鈴木智子教授:
インテージの調査によると、男性化粧品の市場はこの10年間で、ほぼ倍増しています。

その内訳をみると、ほとんどがスキンケア商品と日焼け止めとなっていて、メイクアップ化粧品は全体の5%未満です。

身だしなみへの意識の高まりや、化粧をした男性K-POPアイドルの影響などから、男性のメイクアップのポテンシャルは高く、成長の伸びしろがあります。

堤キャスター:
ーー今回のターゲットは、コスメに興味はあるけどなかなか踏み出せない男性客ということですが、これについてはいかがですか。

一橋ビジネススクール・鈴木智子教授:
ホットペッパービューティーアカデミーが行った調査によると、15~59歳の男性で美容ケアを始めるきっかけで、最も多かったのは「身近にやっている人が増えたから」。

次いで多かったのが、「友達・恋人・パートナーに勧められて」でした。

今回のポップアップストアのように、カップルで訪れ、パートナーに勧められてメイクを始める男性の方もいるかもしれません。

初心者の不安を解消するマーケティング戦略

堤キャスター:
ーーメイクの可能性もここからどんどん広がっていくのかもしれませんよね。

一橋ビジネススクール・鈴木智子教授:
メイクは男性・女性関係なく、初心者にとってはなかなか難しいと思います。やり過ぎなのか、自分に似合っているのか、他人からどう見られているのか、なかなか分かりにくいですよね。

この課題に対して、パートナーにチェックしてもらえる今回の取り組みは、悩みを解決するマーケティングのアプローチでもあります。

新しい市場を切り開いていくうえでは、商品に対する関心を高めるだけでなく、消費者の悩みを解決することも大切なポイントになります。

堤キャスター:
メイクによって自信が持てたり、気分が高まったりするものですよね。
さまざまなアイテムがたくさん発売されている中で、自分にあったアイテムやメイクの仕方を知ることが大切なようにも思います。
(「Live News α」1月29日放送分より)