1月28日から中国は春節の大型連休に入り、のべ90億人が移動するとみられている。すでに北海道札幌市では、海外からの観光客の姿が目立ち始めている。どのようなものが人気なのだろうか。
春節の大型連休始まる のべ90億人の大移動か
「札幌の雪を感じたくて来ました。中国の南の方に住んでいて、雪を見られないので」
「しめパフェを食べます。中国のSNSで見ました」
「焼き鳥を食べたい とり皮が大好き」(いずれも海外からの観光客)
中華圏の旧正月「春節」。
中国では1月28日から大型連休に入り、前後を含めた40日間でのべ90億人が移動するとみられている。
北海道には早くも大勢のインバウンドの姿
札幌市内には、すでに大勢のインバウンドの姿が。

ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」では。
「雪を型に入れて雪玉を作る製造機を、子ども連れのインバウンドがよく買っていく。先月は2000個以上で去年の倍以上の売り上げ」(MEGAドン・キホーテ札幌狸小路本店 柏渕 祐二さん)
レジが混み合わないように、4階にはインバウンド専用の免税レジを設けた。
「一番良かったのは化粧品。フェースパックを買いました」
「キャラクターグッズを買いました。日用品は中国でも買えるので、子どもが喜ぶおもちゃを買った。いくら買ったかわからない」
「トウモロコシのお菓子を買います。北海道ではトウモロコシが有名。以前食べておいしかったので、また買います」(いずれも海外からの観光客)

北海道の特産品の名前が入った菓子類が人気だという。
「北海道の特産物が認知されるようになり、おいしいとわかってきてメロン味やトウモロコシ味が売れている」(MEGAドン・キホーテ札幌狸小路本店 柏渕 祐二さん)
春節の飾りつけなど 受け入れ準備も万全
お昼時を迎えた飲食店にもインバウンドの姿が。

2024年にオープンした海鮮丼の専門店だ。
「おいしくて値段もリーズナブル。中国のSNSで、この店を紹介していた」
「海鮮丼は初めて。狸小路を歩いていて、おいしそうな看板を見て入った」(いずれも海外からの観光客)
「ランチとディナーで1日通してインバウンドが来ている。写真を撮りSNSにのせて宣伝してくれるので、きれいに盛り付けるよう気を付けている」(札幌海鮮丼専門店 すしどんぶり 伊藤 拓哉 店長)

インバウンドに人気の狸小路の大型商業施設「モユクサッポロ」。
春節の飾りつけをして、受け入れ態勢万全だ。
「とても良いイベント。今年は中国から北海道に来る人が増えているので、春節のイベントが増えたらここの売り上げも上がるのでは」(海外からの観光客)
2023年に開業した「モユクサッポロ」。
初めて春節のイベントを開催する。
“中国語対応”の案内も多く設置
期間中は中国語に対応した案内カウンターを設置。
週末にはおしるこやおでん、日本酒など和テイストのメニューを販売。
そのほかにも。

「インバウンドに着物の良さをわかってほしくて、レンタル着物をやっている。洋服の上から簡単に着られるものをそろえている」(レンタル着物 スタッフ)
2025年から新たにこのような春節のイベントを始めたわけとは。
「モユクサッポロは2023年に開業してまだ1年半。海外の客に広く認知してもらうために、春節をテーマに企画した。インバウンドの口コミの効果は非常に強く感じているので、かなりいい結果が出ると思う」(モユクサッポロ 粟津 義幸さん)
行列絶えないラーメン店は“ファストパス”導入で混雑緩和へ

人気スポットの「元祖さっぽろラーメン横丁」。
行列ができているのは「弟子屈ラーメン 札幌ラーメン横丁店」だ。
「インターネットで見ました。とても有名です」(海外からの観光客)
こちらのラーメン店は旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が、旅行者からの評価が高い施設などを表彰する「トラベラーズチョイスアワード」に選出。
そのため、インバウンドによる行列が絶えないのだ。
しかし、こちらの2人連れ、列に並ぶことなく着席した。
カウンターに置かれていたのは「予約席」の札。
「ファストパスで予約すると優先的に列に並ばずに入店できる」(ラーメン店 スタッフ)
混雑を緩和するため、新たなシステムを導入した。
インターネットを通して390円の手数料を支払うことで、席の予約ができる。
その時間に来店すると待ち時間なく入ることができ、多くのスポットを訪れたいインバウンドにとっては時間を節約できるのだ。
「おいしいです」(海外からの観光客)
団体客の予約が増加

こちらは12月にオープンしたばかりのビュッフェダイニング「ススキノデパート」。
北海道産の新鮮な食材を自分で焼いて楽しめるのが売りだが、団体客の予約が増えているという。
「ホタテが好き!」
「好きなのはカニ、タラバガニ」(いずれも海外からの観光客)
「予約がびっしり入っている。予想以上にインバウンドが増えている。ルールブックをテーブルに用意し、気をつけてもらいたいことなどを英語で表記している」(ススキノデパート 斉藤 実 店長)
『六花のつゆ』が中国のSNSで話題に

お土産を大量に買い込むのも、もはや見慣れた光景。
いま中国で話題となっている商品がある。
「『六花のつゆ』が、この袋に入っています」(海外からの観光客)
ブランデーやリキュールなどを包んだキャンディー「六花のつゆ」だ。
発売から10年以上たつ商品だが、中国のネット記事で「世界で絶対に食べるべきキャンディー10選」として紹介されたため、いま注目を浴びているという。
「今すぐ食べたいけど、免税品なので開けられない」(海外からの観光客)
SNSでは紅茶などに入れて飲む様子もアップされ、人気が広がっているという。
2024年の春節は中国ではのべ84億人が移動したが、2025年は90億人の見込み。
札幌市をはじめ北海道にも大勢のインバウンドが訪れることが予想されている。