まだまだキャベツが、高い!

いつの間にか高根の花に― キャベツ“空前の高値”続く

今週はいくらになっているのか、スーパーを見に行くと。

「1玉税抜き498円!ピーク時よりは落ち着いた感じもするが、まだ高いですね」

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「これなら買えると思う。以前ここで600円していたから、下がっていて買いやすくなった」(常連客)

「えっこの大きさで?うわ~高級食材ですね。この店比較的安いのにこんなに高いとはビックリしました」(野菜は宅配サービスで購入する客)

夏の猛暑や雨不足が影響し、本州各地のキャベツが不作。

空前の高値が続いている。

「去年大体198円で販売していたので、徐々には下がってはいるが、去年並みの相場には程遠い」(ARSPA美香保店瓜谷健一店長)

高騰の中 人気とんかつ店で“キャベツおかわり自由”

いつの間にか高根の花になってしまったキャベツ。

しかし!

「キャベツのおかわり自由!このキャベツ高騰の中でやってますね」(廣岡俊光キャスター)

このご時世でも、なぜかとんかつ店はキャベツおかわり自由!

赤字覚悟?知られざるルートからキャベツを仕入れている?

その真相とは?

「キャベツおかわり自由!とんかつ店の謎」

「追跡」のテーマは「キャベツおかわり自由!とんかつ店の謎」。

札幌市中央卸売市場の青果担当者によると、冬のキャベツの主な産地は愛知県、茨城県、北海道の剣淵町や和寒町の越冬キャベツだという。

高騰の原因は、夏の猛暑と冬の雨不足で十分に育たなかったこと。

また、北海道のキャベツは越冬キャベツのためそもそも高い事情もある。

全国のキャベツの平均価格を見ると、2024年は1キロあたり169円だったが、2025年は3倍以上の534円に高騰。

ただ少しずつ値が落ち着きつつある。

札幌市東区のARSPA美香保店では、1月20日時点で小さめのキャベツ1玉が税別498円だった。

600円以上していた時期もあったため、少し落ち着いているものの、まだまだ高い。

その状況で、なぜとんかつ店でキャベツのおかわり自由を続けられているのか。追跡した。

キャベツおかわり自由! なぜできる?

やってきたのは札幌発、人気とんかつ専門店「玉藤」。

早速店内に入りメニューを見てみると。

「ありました。ありました!キャベツおかわり自由!!このキャベツ高騰の中やっていますね」(廣岡キャスター)

とんかつ玉藤では定食を頼むと、ご飯、そしてキャベツのおかわりが自由!

高騰が続く中でも北海道にある13店舗全店で、このサービスを実施し続けているという。

「助かりますよね!おかわり自由と言うし」(客)

「(高騰で)キャベツ食べ放題がなくなっているんじゃないかなと、思いながら来たけどやっぱり続けてました。価値ありますよね。ありがたいです」(客)

「(スーパーで)半玉でも300円とかするので(食べ放題は)すごく魅力的です」(客)

Q:おかわりをする予定は?

「していこうかなと思います」(客)

この日、店では和寒町産のキャベツを使用。

日によって産地は異なるという。

使う量としては平日で約30キロ、土日祝日は倍の60キロ!

いったいなぜそれだけのキャベツを高騰が続く中でも提供できるのか?

ズバリ答えは。

“仕入れの工夫”で安さを実現

「とんかつ玉藤では、2社の青果店からキャベツを仕入れていて、相乗効果で少し値段が安く抑えられて仕入れることができるというメリットがある。いわゆる2刀流みたいな感じ」(とんかつ玉藤宮の沢店 辻雄太店長)

例えばA社が10キロ4500円、B社が10キロ4000円とキャベツの仕入れ価格を提示したとする。

ここがポイント!

500円安く提示したB社の金額にA社が足並みを揃えることで、コストが下がり少しでも安くキャベツを仕入れることが可能になっているという。

「昔からずっと付き合いがあって、例えば値段がすごい高いときでも使うということで信頼関係といいますか、そこがやはり1番大きい」(辻店長)

キャベツだけではなくとんかつ玉藤では、油やコメなどの仕入れも2社と契約していて、2024年に起きた令和のコメ騒動の時も、おかわり自由はやめずに乗り切ったという。

信頼だけでは限界も― 12月から全商品値上げ

しかし、長年の信頼関係があっても限界はあるようだ。

「以前と比べて仕入れ価格も2.4倍ぐらいになっていて、12月から全商品少しだけ値段をあげた。以前のままだと完全に赤字」(辻店長)

Q:それでもおかわり自由を続ける理由は?

「玉藤のとんかつはキャベツとごはん食べ放題があってのとんかつ。きょうはキャベツを先に全部食べてからとんかつを食べるなど楽しみ方も広がるし、人によってキャベツの欲しい量も違うと思うので、そこは譲らないようにやっていきたい」(辻店長)

キャベツの高騰が続く中でも、玉藤がこだわり続けているおかわり自由。

実際に定食を頼み、キャベツのありがたさを実感してみることに。

キャベツのありがたさ 食べてみて実感!

まずはとんかつから。

「ジューシーな脂身、そしてカラッとしていて、とんかつやっぱりうまいな~。(キャベツ試食)これなんだよな~とんかつの脂分をキャベツが中和してくれて、また次の1切れいきたくなる!やっぱり最高の相性」(廣岡キャスター)

「失礼します。キャベツのおかわりいかがですか?」(とんかつ玉藤スタッフ)

「こうやって来てくださるんですね!じゃあぜひお願いします!貴重なキャベツが、またこんもりと山のように!なかなか家では食べられないキャベツをたくさん食べられる。食べ放題最高ですね!」(廣岡キャスター)

いつから安くなる?

では、今後キャベツはいつ安くなるのか。

札幌市中央卸売市場の青果担当者によれば、「スーパーなどの売価自体は1週間で約100円ずつ下がっていくと思うが、これまで企業努力で薄利で提供していた分、急に価格が下がる可能性は低く少しずつ下がるだろう」とのことだ。

北海道文化放送
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