秋田・横手市で活動するバレーボールチーム「スカイロケッツアキタ」は、春の高校バレー常連校の雄物川高校のOBを中心に結成されたチームだ。メンバーの中に、巳年の2025年に年男を迎える若手選手がいる。教師として生徒と向き合う傍ら、現役選手として国内リーグ参入に向けて飛躍を誓う選手を紹介する。

教師とバレーボール選手の二刀流

子どもたちに柔道を教えているのは、横手市出身の黒澤優臣さん(23)。地元の横手南中学校の教師で、体育を教えている。

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「生徒の心をすごいわかっていて、幼い心もあるので、すごくユーモア溢れる先生」と生徒からの人望も厚い黒澤さんは、女子バレーボール部の顧問を務めている。

「自分自身の成長にもつながるし、教えることで自分自身が学ぶこともあるので、良い刺激をたくさんもらっている」と話す黒澤さん。高校時代はバレーボールの強豪・雄物川高校でアウトサイドヒッターとして活躍し、2年生で全国ベスト8の成績を残した経験豊富な選手だった。

子どもたちに自身の経験と技術を伝えている黒澤さんは、もう一つの顔をもっている。雄物川高校OBを中心に結成され、横手市を拠点に活動するバレーボールチーム「スカイロケッツアキタ」の現役の選手だ。

チームではアウトサイドヒッターのほかにリベロもこなす万能なプレイヤーで、サーブ、レシーブは抜群の安定感。守備の要としても期待されている。黒澤さんは「自分の強みはレセプションやディフェンス」と話す。

スカイロケッツアキタでVリーグ目指す

5月に24歳を迎える巳年の年男の黒澤さん。「生まれ育った故郷のために貢献したいと考えていたので戻ってきた。子どもたちに夢を与える立場でもあると思うので、いまはやりがいを持って取り組んでいる」と語る黒澤さんは、節目の2025年に大きな夢を抱いている。

その夢とは、スカイロケッツアキタの国内リーグ参入だ。リーグは2部制で、1部が国内最高峰のチームで構成されるSVリーグ。そして2部に当たるVリーグは地域密着型のチームで運営される。

黒澤さんの目標は“Vリーグ入り”で、参入が決まれば東北で初めてのチームとなる。夢の実現に向け、黒澤さんをはじめとする11人の選手が週に数回、仕事の後に集まり練習に励んでいる。

黒澤さんは「チーム全員が自分の意見を言い合えるチーム。年下、年上関係なく、チームに還元できることは還元して、チーム力を向上させていく雰囲気はできているので、すごく良い雰囲気」と話す。

監督不在の逆風を乗り越えて

ただ、逆風もあった。参入に向けて本格的に動き出した矢先の2024年10月、監督を務めていた間杉将彦さんが体調不良でチームを離れることになったのだ。

スカイロケッツアキタ代表の富澤蛍音さんは「去年までの活動も選手を主体に活動していたので大きく変わることはないが、運営としても間杉さんがいなくなった分、自分たちが責任を持ってやることと、チームとしてもこれまで通り、選手主体で活動していく」と前を向く。

監督不在を乗り越え、チーム名「スカイロケッツ」の由来である“打ち上げ花火”のように、黒澤さんは2025年の飛躍を誓う。

スカイロケッツアキタ・黒澤優臣さん:
チームとしては全国ベスト4という大きな目標を立てているので、ことしはその目標に向かって、チーム一丸となってしっかりと戦い抜くということを頑張っていきたい。自分が生きる道としてはディフェンスの面だと思うので、そこを強化してチームに貢献できれば良い。Vリーグ参入に向けて、飛躍の年となれるように頑張っていきたい。

(秋田テレビ)

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