天皇皇后両陛下の長女、愛子さま。

「歌会始の儀」に初めて出席された愛子さま
「歌会始の儀」に初めて出席された愛子さま
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22日に皇居で行われた、新春恒例の「歌会始(うたかいはじめ)の儀」に初めて出席されました。

陛下が主催される「歌会始の儀」は、秋篠宮ご夫妻や次女の佳子さまなど、皇族方が出席される新春を締めくくる宮中行事です。

愛子さまは、2024年まで学業を優先し、出席を控えられてきました。

初めてとなる「歌会始の儀」の装いは、襟にフリルがあしらわれた、淡いアプリコット色のロングドレス姿。同じ色の帽子を身につけ、手には扇子(せんす)を持たれる正装でした。

今年のお題「夢」

2025年のお題は「夢」。

1万6000首を超える応募から入選した10人も出席し、両陛下の前で詠み上げられました。

高校一年生の歌は、将来について感じた不安を詠んだものでした。
「ペンだこに うすく墨汁(ぼくじゅう) 染み込ませ掠れた(かすれた)夢と いふ字を見てる」

また、大学生が詠んだこんな歌も…。
「『実際に 叶ふ程度に しておけ』と そんな夢など 見たくないのだ」

初々しい気持ち込め

初めて、生でその響きに耳を傾けられた愛子さま。

今回寄せられた和歌には、2024年、大学卒業と就職という節目を迎え、新たな道を行く友人たちとの将来に思いを馳せた、初々しい気持ちが込められています。

「我が友と ふたたび会はむ その日まで 追ひかけてゆく それぞれの夢」

幼い頃から、百人一首に親しんでこられた愛子さま。

中学生の頃には、学校の百人一首大会で、一人で数十枚の札を取り、圧勝された事があるほど。

大学の卒論も「中世の和歌」をテーマにされるなど、愛子さまにとって和歌は、身近な存在ともいえます。

儀式に出席した、歌会始選者で京都大学の永田和宏名誉教授は、愛子さまの和歌作りについて「だいたいメールでやりとりしているんですけど、愛子さまは『この歌が思い入れが強いのでこれにしたい』というやりとりが何回かあって、最終的にこの歌になりました」と明かしてくれました。

また愛子さまの歌について、永田教授は「『我が友と ふたたび会はむ その日まで追ひかけてゆく それぞれの夢』ということで、ちょうど卒業されて、友達と離ればなれにいかにも(大学を)卒業して友と分かれるさみしさと、次会うときまでに自分がどう変われるだろうかという期待と、若々しい感じがよく出ている歌だと思う」とコメントしました。

雅子さまはイギリスの母校に思いを馳せ

一方、皇后雅子さまは、2024年6月、イギリスへの公式訪問の際に、母校のオックスフォード大学を34年ぶりに訪れた感慨を詠まれました。

「三十年(みそとせ)へて 君と訪ひたる(といたる) 英国の 学び舎に思ふ かの日々の夢」

ご自身の和歌が詠み上げられると、雅子さまは、晴れやかな笑顔で耳を傾けられていました。

天皇陛下は子ども達とのふれあいを詠まれ

最後に披露されたのは、天皇陛下の歌。
訪問先でふれ合った子ども達が、将来の夢を生き生きと話す様子を詠まれました。

「旅先に 出会ひし子らは 語りたる 目見(まみ)輝かせ 未来の夢を」

初めて出席した愛子さまは、感心を寄せる和歌への理解を深められたご様子でした。

来年2026年のお題は「明(めい)」。
22日から9月末まで宮内庁で受け付けられます。
(「イット!」1月22日放送より)

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