30回目を迎える冬の長崎の一大イベント「長崎ランタンフェスティバル」が1月29日に開幕する。1万5000個のランタンが街中に灯るが、資材の価格高騰などを理由にメイン会場に設置される「メインオブジェ」の製作を断念した。
資材高騰で製作費用は1.5倍に
長崎ランタンフェスティバルは、中国の旧正月に合わせて長崎市の新地中華街を中心に行われる長崎の冬の一大イベント。

30回目となる2025年は、1月29日から2月12日までの15日間開催され、湊公園や中央公園がメイン会場で約1万5000個のランタンやオブジェに明かりが灯る。
毎年、メイン会場に干支などにちなんだ大型の「メインオブジェ」が設置されるが、今年は新調を断念。

2017年に使用した「百鳥(ひゃくちょう)」が再びお目見えする。めでたいときにあらわれる中国の伝説上の鳥「鳳凰(ほうおう)」の周りに鶴やオシドリなど縁起の良い鳥が集まる様子を表現している。
実行委員会の張幹事長は「円安や物価高で製作費用が1.5倍くらいになり、メインオブジェを新調できないのは悔しい気持ちだが、ランタンを見て光に包まれた温かい気持ちになってほしい」と話す。
個人協賛も募り 持続可能なイベントへ
メインオブジェは海外に発注して製作を依頼している。7~800万円の製作費に加え、輸入にかかる費用や運搬費用などを含めると1000万円ほどかかる。資材の高騰や円安の影響で新調を断念した代わりに、その分の費用は提灯の補充にあてた。

2024年の開催では大雨や突風の影響で多くの提灯が破損した。今回4~500個を補充し、期間中市内は例年通り1万5000個のランタンで彩られることとなる。
ランタンフェスティバルは例年、長崎市の予算で1億円ほどが計上され、長崎県内企業から協賛金として約2000万円を集めてイベントが運営されている。2023年は「ふるさと納税制度」を活用した。ここで集めた資金は2026年のメインオブジェの製作やランタンの修理にあてることになっている。

2025年は個人協賛も募り、多くの人に支えてもらって100年続くイベントに育てていきたいとしている。
29日開幕 15日間中国色のイベント
期間中は中国色を感じるイベントが目白押しだ。

土曜日は、皇帝・皇后の御輿を中心に、総勢約100人が豪華な中国衣装を身にまとって街を練り歩く「皇帝パレード」。

2月1日の皇帝役は祖父が島原出身でタレントのルー大柴さん、皇后役に佐世保市出身で俳優・レポーターの田中明日実さんが務めることが決まった。(8日は後日発表)
日曜日は、航海安全の神・媽祖を安置した行列を再現した「媽祖行列」が行われる。

前回好評だった恋愛成就の願いを込める「恋ランタン」は、場所を孔子廟からベルナード観光通りに移し、装飾もより「映える」印象に変わる。

「中国変面ショー」は湊公園で土日に開催。このほか、長崎市と福州市の友好都市締結45周年を記念する現地の朗読劇(ビン劇)の上演や長崎県の推しポケモン「デンリュウ」の写真撮影会など、新しい企画も実施される。

ランタンフェスティバルのメイン会場は湊公園と中央公園。その他、唐人屋敷、中島川公園、浜町アーケードの3つの会場と、孔子廟、興福寺が協力会場となり、長崎市中心部が1万5000個のオブジェやランタンで彩られる。実行委員会では、期間中90万人の集客を目指している。
(テレビ長崎)