中国で今、「ヒトメタニューモウイルス」の感染が拡大している。 一体どんなウイルスなのか。 そして、まもなく春節の時期だが、日本にも影響はあるのか。

■【動画で見る】中国で猛威 日本でもじわり感染増「ヒトメタニューモウイルス」90億人大移動の「春節」始まる

■中国で「ヒトメタニューモウイルス」感染者が増加

この記事の画像(8枚)

14日から中国では延べ90億人が移動する大型連休「春節」の旅行シーズン。そんな中、国営放送が気になるニュースを伝えていた。

国営放送:モニタリングデータによると、14歳以下の症例においてヒトメタニューモウイルスの陽性率は上昇傾向にあります。

中国で今「ヒトメタニューモウイルス」の感染者が増えているというのだ。

■大阪の小児科でも感染した子どもが

「ヒトメタニューモウイルス出ました」

取材した大阪の小児科でも感染した子どもが… ヒトメタニューモウイルスとは一体どんなウイルスなのか?

関西福祉大学 勝田吉彰教授:ウイルス自体としてはコロナよりも歴史があって2001年からなので四半世紀ぐらい。定着しているオーソドックスなウイルスである。

勝田教授によると、ヒトメタニューモウイルスは2001年にオランダで発見された。感染経路は飛沫や接触。

■感染すると咳と熱 症状はインフルエンザとほぼ同じ

日本でも日常的に感染する可能性があり、こちらの小児科では冬場になってじわりじわりと感染者が増えてきているそうだ。

あぶみ小児科クリニック 鐙連太郎院長:インフルエンザが一番多くて今週だとインフルエンザが35人で、その次に多いのがヒトメタニューモで今日の時点で11人陽性です。(Qヒトメタにかかるとどんな症状が?)まず咳と熱ですね。熱が高熱で肺炎レベルになると呼吸数が早くなったりということになります。

症状はインフルエンザとほぼ同じだそうだ。子どもが感染した保護者は…

ヒトメタニューモウイルスと診断された子供の親:熱がきょうの朝40度ぐらいあって、今は元気なんで下がってるかなって感じです。

ヒトメタニューモウイルスと診断された子供の親:年末にインフルエンザになってようやく元気になって、幼稚園いけるねって言ったのにまたなって。仕事も休まないといけなくなって。

■「インフルエンザよりも怖くない」と院長

乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人が感染すると、重症化の恐れがあるが、院長は「過度に怖がる必要はない」と話す。

あぶみ小児科クリニック 鐙連太郎院長:名前が変わっててなじみがなくて異様に聞こえるけど。インフルエンザよりも怖くない。

WHO=世界保健機関も、報告書の中で中国での「ヒトメタニューモウイルス」などの感染状況について言及しているが、感染者の規模はこの時期に想定される範囲内だとしている。

ヒトメタニューモウイルスについて専門家は『風邪の一つなのでパニックにならないで』とおっしゃっていたが、乳幼児、ご高齢の方は重症化のリスクもあるということを忘れてはいけない。

エッセイスト 犬山紙子さん:(ウイルスの)名前がちょっと怖いじゃないですか。でも小さい子を育てていると馴染みのある病気というか、結構かかってしまうようなものです。ただインフルエンザも流行っているので、マスクをちゃんとさせて学校に行かせようと思います。

■「過度に心配しないで大丈夫」とWHOが異例の呼びかけ

ではなぜ、今WHOが呼びかけを行ったのかはこちら。大きな理由としてはこれまでの経緯だ。中国では今まで色々な感染症が誕生してきた。SARS(2003年)で鳥インフルエンザ(2013年)、最近では新型コロナ(2019年)がある。 そして今、ヒトメタニューモウイルスの感染が拡大しているということで、心理的に世界中が浮き足立つという状況になり、7日WHOが「過度に心配しないで大丈夫だ」という異例の呼びかけをした。

神崎博 解説デスク:中国で流行しているということで、コロナを思い起こす人も多かったと思いますが、実は未知のウイルスではなく、ヨーロッパで見つかっていて、ある程度分かっているウイルスなので、必要以上に怖がる必要はないのかなと思います。

■インフルエンザなどほかの感染症との同時感染にも注意

春節で中国からたくさんの方々がいらっしゃる中で、インバウンドの効果はあると思うが、感染対策はしっかりしなきゃいけない。

大阪大学大学院 安田洋祐教授:振り返ると、年末ごろ僕の知り合いでも高熱が出たけれど、調べてみたらインフルでもないコロナでもない、なんだろうという方が結構いました。全員がヒトメタニューモウイルスに感染していたのか分からないですが、おそらく結構な割合かもしれないと。原因を分かって対策を今以上にきちんとやっていくことが必要です。 特に今週末、大学入学共通テストがあります、これから入試シーズンに入ってくるので、より気をつけなきゃいけないことは確かです。昨年末からのインフルエンザの流行もまだピークアウトしていない。色々な意味で感染症対策をして改めて気を付けるべきなのかなと思いました。

(関西テレビ「newsランナー」2025年1月14日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。