2024年も残りわずかとなった。年末年始に家族で鍋を囲む人も多いのではないか。しかし今シーズンは冬野菜が全体的に値上がりしているという。買い物客も思わず「目が点になる」と驚く大分県の野菜価格の現状を取材した。
大分県産ブランド「大分白ねぎ」が旬入り
大分県大分市の公設地方卸売市場で、10日朝行われたのは県産ブランド「大分白ねぎ」の旬入り宣言式。
白ネギの県内の生産量は西日本一を誇り、基準を満たしたものが「大分白ねぎ」のブランド名で出荷されている。

鍋料理などで冬に需要が高まるのに合わせ、毎年この時期に旬入りが宣言されていて、「大分白ねぎ」のスープも関係者にふるまわれた。
大分白ねぎ連絡協議会の和泉陣会長は「特に火を通すことでネギは非常に甘くなるので、温かい料理で皆さんに食べていただきたい」と話す。

また、例年通りの甘い味わいに仕上がっているそうだが、2024年は猛暑の影響で生産量の落ち込みがみられるという。
式のあと行われた競りでは、1キロあたり536円で取引され、2023年の同じ時期より8割ほど高値となった。
市場関係者「こういう状況は初めて」冬野菜の価格が2倍
こうした白ネギを始め、ハクサイなどの冬の野菜は鍋料理などで需要が高まるが…
「野菜が高くてすごく驚いている。目が点になるくらい、飛び出しそうな感じ」こう話すのは市場に訪れた買い物客だ。野菜の価格は今、全体的に値上がりしているといい、丸果大分大同青果の岩尾嘉臣野菜部長も「私も市場に入って長いが、こういう状況は初めて。買いやすい値段で売っているような野菜がない状況で、非常に心を痛めている」と述べた。

市場での取り引き価格は、2023年の同じ時期と比べて、白菜やキャベツは2倍ほど、大根は1.5倍ほど高くなっているという。
要因には猛暑の影響が…。
残暑も長引いたことで、野菜の生育が遅れ、品不足になっているという。
丸果大分大同青果の岩尾嘉臣野菜部長は「生育が遅れているというものあるが、 非常に年内数量的には厳しいのかなという気はしている」と話す。
ユズの生産が盛んな日田市でも「よくないところは半分」
ほかにも、収穫量の減少は鍋のお供としてもお馴染みのユズも…
「大体昨年の7割、よくないところは半分とかいう状況」こう話すのは、ユズの生産が盛んな日田市のJAおおいた日田柚子部会・石井一彦部会長である。

2024年は裏年だったことに加え、猛暑の影響も受け、収穫量が落ち込んでいるという。
JA全農おおいたによると、日田産のユズの取引価格は2023年の約1.25倍に値上がりし、1キロあたり160円ほどだという。
冬の食卓にも影響を与えている猛暑。全般的に高値傾向はまだ続きそうだということで、家計にとっては寒い状況となりそうだ。
(テレビ大分)