12月14日午後8時半前、北九州市小倉南区のマクドナルドの店舗内で、中学3年の中島咲彩さんと男子生徒が、男に次々と刺され、中島さんが死亡した事件。被害生徒が通っていた中学校では、事件発生から3日目となる17日、上空に福岡県警のヘリコプターが旋回するなどの厳戒態勢のなか、授業が再開された。

同級生に広がる衝撃と不安
生徒たちの多くが保護者の車で登校。学校の周辺には長い車の列ができた。子どもを送った保護者は「娘は小学校からの同級生だったので、本人もショックを受けていて『登校したくない』と言っていた。咲彩ちゃんは『みんなに分け隔てなく優しくしてくれる子だったのに』と言って『なんで咲彩じゃないとだめだったのか』と家で泣いていた」と痛ましい死を悔やんでいた。

北九州市教育委員会によると、市内の学校などでは事件を受け、事件発生後の月曜日(16日)には、約4200人が登校を控えたという。

地域で広がる不安。事件現場となったマクドナルドでは、ドライブスルーのみが営業を始めた。店のブラインドは降ろされたままだ。
店や被害者にトラブル確認されず
店内に入りレジに並ぶ2人を刺して逃走した犯人の男。警察は捜査員90人以上の体制で、防犯カメラの捜査などを行い男の行方を追っているが、有力な手がかりは得られていない。

また犯人の男が黄色いサンダルのようなものを履いていて軽装だったことなどから、警察は土地勘のある人物の可能性もあるとみて捜査している。
捜査関係者によると、現時点で中島さんと男子生徒のトラブルは確認されていないほか、店と客のトラブルも把握されておらず、通り魔的犯行の可能性が高いとみて捜査しているという。

17日午前11時から、亡くなった女子生徒の告別式がしめやかに営まれた。多くの親族や同級生らが、誰からも愛された女子生徒との最後の別れを惜しんでいた。

未来ある若い尊い命を奪った犯人。
事件との関連は不明だが、現場近くの公園では事件当日、不審な人物が目撃されていた。
不審な男女の目撃情報も
「男性と女性がベンチに座って、その横に包丁が丸ごと置いてあって、その横に包丁のカバーを置いていた。男の人の横」と話す不審な男女を目撃した少女。少女がベンチに座る男女を目撃したのは、事件当日の午後1時から午後3時の間。男性の年齢は30代から40代で、女性は50代くらいだったという。

さらに2人のようすを聞くと「話し合いをしていた。普段、見たことのない人物だった。怖かった。逃げた」と少女は不安げに話した。少女からこの男女の話を聞いた母親は、警察に情報提供している。

警察は、こうした不審人物の目撃情報を複数確認していて、情報の精査を進めている。また事件発生当時、現場付近を車で通行した人などにドライブレコーダー映像などの情報提供を呼びかけている。
(亡くなった中島咲彩さんの写真:遺族提供)
(テレビ西日本)