12月14日午後8時半前、北九州市小倉南区徳力の『マクドナルド322徳力店』で、中学3年の中島咲彩さん(15)と同級生の男子生徒(15)が、男に刃物のようなもので相次いで刺された。
刺したのは「全く知らない人物」
2人は市内の同じ中学校に通う同級生で、レジに並んでいたところを刺されたとみられている。中島さんは腹部を刺された失血により死亡した。男子生徒も腰を刺され治療を受けているが、命に別条はない。

男は、店内に入るとレジ前に並んでいた2人を無言で刺し、30秒足らずで逃走したとみられている。男子生徒は男について「全く知らない人物」と話しているという。
当時、店内に居合わせた大学生の男性(19)は、友人と訪れ、食事をしていたところ、急に店内が慌ただしくなり、店員が「みんな(外に)出て下さい」という趣旨の指示があったと話す。

席を立つと、刺されたとみられる少女が通路にうずくまって苦しそうに呼吸していて、店員が「刺された」というような話をしていたという。大学生によると当時店内には客が6~7人いたが、悲鳴などには気づかなかったということだ。
男子生徒に対しても殺意を持っていたか
逃走した男は40歳くらいで、身長170センチくらい、灰色の上着に黒のズボン、黄色っぽい履き物を着用していたとみられている。その後の捜査関係者への取材で、男子生徒の傷も致命傷になりかねない深さだったことが判明した。捜査本部は、男が男子生徒に対しても殺意を持っていたとみて行方を捜査している。

事件があった北九州市小倉南区徳力のマクドナルドは、16日も営業しておらず、店内のようすは、ほとんど確認することができない。15日時点で現場の規制は解除されたが、人通りは少ないままだ。

亡くなった中島さんが通っていた中学校では、16日、事件を受けて休校措置を取っていて、近く保護者説明会も開かれる予定になっている。そのほかの北九州市内の小中学校でも16日は、児童や生徒の登校に保護者が付き添う姿が多く見られた。なかには、校舎に入るまで見守る保護者もいて、不安の大きさを物語っていた。

市の教育委員会によると、日没後の下校を避けるため、部活動を含めて当面の間、午後5時までに完全に下校させるなどの対応も取るという。
(テレビ西日本)