全国で大流行しているマイコプラズマ肺炎。
北海道にも流行の兆しが出ているが、さらにインフルエンザ、新型コロナウイルスと、3つ同時に感染する恐れも出てきた。
マイコプラズマ肺炎の流行
マイコプラズマ肺炎は、細菌に感染することで起こる呼吸器感染症である。
この記事の画像(11枚)症状としては咳や発熱などがあり、感染者は中学生以下の子どもに多いという。
札幌市内の小児科でもマイコプラズマ肺炎かもしれないと、多くの親子が受診していた。
「2、3日くらい前から咳と鼻水が出ていて、きょう発熱。マイコプラズマは咳が出ると聞いたことがあるので心配です」(2歳の子どもの母親)
「金曜日に診察を受けて風邪の症状ということで、夕方になると38度~39度の熱が出ることを繰り返していてインフルエンザとも違う。マイコプラズマにも効く抗生剤は金曜から飲み続けているけど、マイコプラズマじゃないのかなと思って検査を受けに来た」(小学4年生の子どもの母親)
「喉が朝起きたらとても痛くて。全クラスに必ず喉が痛い症状の生徒が2~3人いて少し流行っていると感じる」(中学3年生)
Q.マイコプラズマ肺炎が流行っていますが
「今年受験なので一層気を付けたい」(中学3年生)
2024年は感染者数が増加
国立感染症研究所によると、10月のマイコプラズマ肺炎の全国の感染者数は、2023年の同じ時期と比べ25倍だという。
北海道内でも感染者が増加傾向にあるという。
「きのうは疑いの例を含めたら3人。やはり多いと思います。近年にない流行と思っている。やっぱり熱も出る方もいるし、長引く咳というのが特徴。今年のマイコプラズマに関しては、教科書的に第一選択の薬があるけど、効かないタイプの菌。通常の抗生剤を使っても熱がなかなか下がりきらない患者さんがいる」(円山ため小児科 多米淳院長)
マイコプラズマ肺炎は潜伏期間が2~3週間と長く、大人など多くの人にうつりやすいことから“歩く肺炎”と呼ばれている。
全国で報告された患者の数は、11月3日までの1週間で1定点医療機関あたり2.46人と、5週連続で過去最多を更新。
北海道は3.00人、札幌市は6.00人と全国を上回っている。
そこにインフルエンザも全国的な流行シーズンに突入した。
1医療機関あたりの患者数も1.04人となり流行の目安1を超えた。
“トリプルデミック”に警戒
さらに今後の感染拡大が懸念されるのが、新型コロナウイルスだ。
2024年の冬は、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ、新型コロナ。3つの感染症の時期が重なる“トリプルデミック”に警戒が必要だ。
「今はマイコプラズマ肺炎が流行していて、インフルエンザに関しては例年1月中旬から2月をピーク。新型コロナウイルスに関してもポツンポツンと感染者は出ている。寒くなる冬にかけてはその時にぶつかってしまうと同時に感染する可能性はあるかもしれない。どの感染症に対してもやれることは一緒。きちんと手を洗う、マスクをする、換気をする。インフルエンザの場合はワクチンがありますよね。年内にワクチンを接種するとかかった場合も軽く済むということがいえる」(多米院長)
症状の違いがわかりにくい3つの感染症だが、マイコプラズマ肺炎は「咳」、インフルエンザと新型コロナウイルスは高熱やのどの痛みが特徴だ。
感染対策は共通しているため、手洗い、うがい、マスク着用、換気をして冬を乗り切りたい。