福岡・古賀市の認定こども園で11月に入って園児の上履きが相次いで盗まれる”事件”が発生した。しかし警察は、犯人を検挙しないまま捜査を打ち切った。そのワケとは?
盗まれたのは子どもの上履きだけ
“事件”があったのは「五所こども園」。園長の齋藤圭英さんは「子どもの分だけ上履きがなかったので、ちょっと余計に心配だったというか…」と当時を振り返る。

狙われたのは通園する園児の上履き。11月6日と7日に合わせて13人分の上履きが突然、無くなったのだ。さらに園内の花壇やフェンスの上でも上履きが見つかり、園はすぐさま警察に通報した。

齋藤園長は「“不審者”という言葉が、いいか分からないですけど」と前置きして「万が一、そういう『子どもの事件に繋がったら怖いな』っていうのがありました」と話す。子どもを預かる立場としては当然と言える“心配”だ。
防犯カメラに映った“犯人”は?
警察は防犯カメラを設置し窃盗事件として捜査を開始。すると意外な“犯人”が明らかになった。

防犯カメラ映像には、靴箱に近付く茶色い影が映っていた。そこにいたのは人ではなく、なんと「イタチ」。イタチはしばらく靴箱を“物色”した後、上履きをくわえたまま走り去って行った。

「動物が映っていたので、びっくりしたというか、ほっとしたというかですね」と斎藤園長も当惑したものの安心した様子を見せた。

可愛い目が印象的なイタチだが、害獣としてさまざまな被害を人間社会にもたらしている。しかし実は、一部の地域では準絶滅危惧種に指定されている動物でもある。専門家によるとイタチは巣に持ち込んだ上履きで「暖」を取っていた可能性があるとしている。

何とも“お騒がせな”イタチによる「連続上履き窃盗」。園では再発を防ぐため靴箱に網を設置したという。
(テレビ西日本)