中国が2023年から日本の水産物の輸入を禁止し、特に影響を受けたのがホタテだ。
年末年始を前に苦境を脱したかに見え始めたが、それは価格高騰へとつながるものだった。
生産量1位を誇る北海道
北海道が全国で生産量1位を誇るホタテ。北海道東部の標津町の飲食店ではホタテをぜいたくに使った定食が人気だ。

「ホタテのしっかりとした甘さが口の中に広がっておいしい」(沼田海征記者)
今の時期のホタテは味がしまり、甘味が強くなるのが特徴だ。
値段高騰 例年の2倍
しかし。
「ものすごい高騰している。今年特に。(値段は)現状を維持しているが、これからちょっと考えなきゃと思っている」(飲食店 店員)
北海道・標津町の漁港だ。

この日は漁船7隻で約38トンのホタテを水揚げ。競りでは高いもので1キロ795円の値がついた。
例年の2倍ほどの高値だという。

「例年に比べたら(水揚げ量が)増えている方。値段がいいから。(Q:値段が高いという実感は?)ある」(ホタテ漁師)
中国の海産物禁輸措置 輸出先多角化
2023年8月から行われている福島第一原発の処理水海洋放出に反発し、中国が日本の水産物の輸入を禁止している。
「中国に輸出できなかったかわりにアメリカを中心に海外の需要を開拓。ホタテの輸出の多角化という形で取り組んでいる」(JETRO 西浦克さん)

2024年9月までのホタテの輸出額は19%減の437億円。
中国の輸入禁止の穴を埋め切れてはいないものの、アメリカは29.1%、ベトナムは1327.2%、台湾は30.2%と、各国で増加している。
円安で販売先が海外に→価格高騰

円安でホタテの販売先が海外に流れる傾向なども強まり、価格高騰につながっていたのだ。
「円安で訪日観光客が日本に来てホタテを食べてその良さにほれ込んで、戻ってからも食べたいという事情もあって多角化の一因になっている」(西浦さん)
年末年始を前にホタテの価格は、今後どうなっていくのだろうか?