道路交通法が改正され、11月1日から自転車を運転しながらスマートフォンを使用する、いわゆる“ながらスマホ”の罰則が強化された。
新たに“酒気帯び運転”にも罰則が設けられる中、罰則の強化のポイントや背景について取材した。
自転車“ながらスマホ”で厳しい罰則
罰則が強化されるのは、自転車を運転しながらスマートフォンなどを持って通話をする行為や画面を注視する行為、いわゆる「ながらスマホ」だ。

街の人に聞くと、「(ながらスマホを見て)危ないとはいいつつ、『危ないよ』とはいえない」、「前を見ていなくて急に走ってくる。年配者は避けられない」などの声が聞かれ“ながらスマホ”により危ない思いをしたという人も少なくない。

こうした中、11月1日から道路交通法が改正され、“ながらスマホ”で事故などの危険を生じさせた場合は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に。
危険を生じさせなくても、運転中にスマートフォンを持ち画面を注視したり通話したりした場合には「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」と厳しい罰則が定められた。
“ながらスマホ”の罰則の強化の背景について、岩手県警交通企画課の今村真企画補佐は「全国的に自転車運転中の携帯電話使用における交通事故が増加傾向にあることが背景」と話す。

警察庁の統計では全国で発生した自転車の交通事故のうち、運転者が携帯電話を使用している状態で起きた事故は、2023年1年間で139件と10年前から2倍以上に増えている。
「酒気帯び運転」は新設 懲役または罰金
また、改正によりアルコールを飲んでから自転車を運転する「酒気帯び運転」にも新たな罰則が設けられた。
県警交通企画課の今村企画補佐によると「酒気帯び運転は判断力の低下などにより事故を引き起こす可能性が高まる」という。

これまではアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転する「酒酔い運転」のみ罰則の対象だったが、11月からは「酒気帯び運転」にも「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される。
さらに酒気帯び運転をするおそれがある人に対し、アルコール類を提供した人なども罰則の対象となる。

県警交通企画課・今村真企画補佐:
自動車の運転に比べると交通違反が目立つのが現状。交通ルールをしっかりと守って安全利用につなげてほしい。
14歳以上は罰則の対象
こうした中、アルコール類を提供する盛岡市内の飲食店では飲酒運転とならないよう来店客への注意喚起を今まで以上に徹底していくとしている。

やきとり道場・大崎善隆オーナー:
店内には飲酒運転の禁止ポスターを掲示していて、お客様と会話する機会があるので、今後は自転車の件も含め対応していく。

11月から始まった自転車の運転をめぐる道路交通法の罰則の強化。
罰則の対象となるのは刑事責任能力が問われる14歳以上で、中学生でも対象となる。
県警では街頭活動などを行い「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」への注意を呼びかけている。
(岩手めんこいテレビ)