10月18日、福井テレビに“代引き宅配詐欺”の情報提供が寄せられた。注文していない商品が突然自宅に届けられ、支払いを要求されたという。実際に代金を支払うことはなく被害は避けられたものの、伝票には住所や名前が書いてあり、恐怖を感じたという。

この情報をもとに福井県警に取材をすると、福井県内では宅配業者を装う同様の事案が発生していることが分かった。

宅配装う詐欺の手口

自宅に身に覚えのない荷物が代引きで届いたと訴える福井・越前市のAさんは、「午後6時くらいに『不審な荷物が届いた』と子供から電話があった」と振り返る。

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宅配業者を装う男がAさん宅を訪ねてきたのは、10月16日午後4時40分頃。その時、Aさんは留守にしていたため、在宅していた20代の息子が対応し、男はミカン箱サイズとそれより少し小さい箱の2つの代引きがあるとやってきたという。
さらに男は「大きい箱には2万8000円の商品、小さい箱には5000円の商品が入っているので、受け取ってほしい」と支払いの要求をしてきた。

Aさんは「息子は払おうかと思ったが、違和感があったようだ。伝票に苗字しかなく商品名が書いていないし、箱はその場で用意したような無地の茶色い段ボールで不自然だと思い、『ちょっと家族に確認します』と言ったら『代引きなのでお支払いください』と言われ、手元にお金がないことを伝えると『5000円の小さい箱だけでも受け取ってほしい』と言われた」と話す。

そしてAさんの息子が「まずは家族に確認したい」と話をすると、男は「また夜に来る」と言い残して去って行った。しかしその後、男が自宅を訪れることはなかった。

被害防ぐも不安…県内で同様事案の相談

宅配業者を装う男は紺色の帽子をかぶり、袖の部分に黒の線が入った青いシャツを着用。茶髪で細身の30歳前後に見えたという。

今回はAさんの息子が伝票などの異変に気づいたことで、被害を未然に防ぐことができたものの、家族の不安は残ったままだ。Aさんは「家の表札に名前と住所があり、防犯カメラがないので、事前に男が確認して伝票を作ってきたのかもしれない。下見をされていることが怖い」と心配そうに語った。

Aさんは同様の被害拡大を防ぎたいと今回、情報提供をしてくれた。「家族であらかじめ、『きょうは代引きが届くよ』などと日頃から連絡を取り合うことで被害は防げるのでは」と話す。

捜査関係者によると、県内全域で同様の事案が複数確認されていて、捜査が進められている。県内では犯人の検挙に至っていないため、金銭をだまし取るためなのか、強盗の下見なのか…目的が分かっていない。このような事案があった場合は「伝票の宛名や送り主の確認をはじめ、不審なところがないかをよく観察し、冷静に支払い内容を確認してほしい」としたうえで、「不審に感じることがあれば警察に相談してほしい」としている。

(福井テレビ)

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