80代女性が10針縫うけがをするなど、広島・廿日市市郊外の住宅地で首輪をつけたサルが人を襲う事案が相次いでいる。このサルは「人を見ても逃げない」ということで、廿日市市などが捕獲を試みた。
「飛びかかってきて」10針縫うけが
10月29日、廿日市市大野中津岡で建物の階段を一気に駆け上がり、扉に突進するサル。この地区では10月下旬からサル1匹が住宅地に現れるようになり、人を襲う事案が少なくとも2件確認されている。

左手を10針縫うけがをした80代の女性は「廊下から戸を開けてのぞいたと思ったら裏をまわって目の前に来ていたんですね。飛びかかってきてやられました」と包帯が巻かれた手を見せた。

廿日市市の職員が29日朝から捕獲を試み、山林に箱罠を設置。現れたサルは首輪をつけていた。捕獲用の箱罠の仕組みをどこかで学習したのか、入る気配はない。

別の住民は「人を見てもすぐには逃げんよね。早く捕まえてもらいたいです」と“人を恐れないサル”に不安を募らせていた。
首輪つけたサル 捕獲までの一部始終
網を持った廿日市市の職員が3人がかりでサルを追い込むも、簡単には捕まえられない。
「逃げた…」
挟み撃ちで網をかけようとしたがサルはすり抜け、捕獲ならず。

サルの頭上からバナナを垂らしても、罠だとわかっているかのように山林へ引き返していく。またも逃げられてしまった。

そして、午後3時。再びエサでおびき寄せ、警戒心をといてから網をかぶせた。
ついにサルの捕獲に成功!

広島県動物愛護センターの永井佳英さんは「首輪がついていたので元々飼われていたのかもしれないが、愛玩用に飼うことは禁止されています。動物愛護センターに入るのは難しい」と話す。

廿日市市によると、サルは首輪をつけていたが警察に持ち主からの届け出がないことから、「野生のサル」としてその日のうちに山奥に放つということだ。
(テレビ新広島)