テレビ西日本報道部が独自に入手したインターホンのカメラ映像。福岡市内の住宅に名刺も出さず、名前も名乗らない不審な訪問業者が現れたようすが捉えられている。警察は強盗の下見の可能性もあると指摘している。
関東で発生した闇バイト連続強盗事件。このうち横浜市の強盗殺人事件の現場周辺では、事件発生の数カ月前から、不審な業者の訪問が相次いでいたことが分かっていて、いま全国の警察は、不審な訪問者に注意を呼びかけている。
実は同じような不審な業者の訪問が福岡でも相次いでいることが分かった。
警察に寄せられた不審な男の情報
「閑静な住宅街で電気業者を装い、住人が不在の時間などを聞き出す不審者の情報が相次いでいます」と記者が歩く福岡市早良区の住宅街。不審な業者の情報が複数、警察に寄せられた。訪問が相次いだのは10月上旬の夕方だったという。

警察によると訪問した20代くらいの男は、通信会社の社員を名乗り、インターホン越しに「電柱から線を引く工事をするので近くをまわっている」と話したという。

身長170センチくらい、黒いジャンパーに黒いタブレットを持ち、一戸建ての住宅を訪ねて来た男は「いつ留守にするのか?車はいつ使うのか?」などと対応した住人に家にいない時間帯や移動手段など個人情報を事細かに聞き出そうとしたという。

不審に思った住人が社員証の提示を求めると男は「ない」と答えたというのだ。
インターホンの画像に映った男
男が出没した地域の取材を進めると、ある住宅のインターホンに住人との面談を求める不審な男の映像が残されていた。男の耳にはワイヤレスイヤホンが付いている。

身長170cmくらいで黒ジャンパー、黒タブレットを手にした男。応対した住人は「電気の工事をするにあたっての説明をしたいとかでした」と当時のようすを話した。

不審な男はインターホン越しに、しきりに「直接説明したい」と面談を求めたという。しかし住人は要求には応じず追い返した。

対応した住人は「普通はスーツで、大体2人組、案内のチラシ入れときますとか。あまりないですよね、下に来て説明させて下さいとか。強盗とか、子どももおるし、普通にイヤ」と嫌悪感を露にした。
福岡でいつ起こってもおかしくはない
特徴として一戸建ての住宅を狙ったものであることが挙げられるが、防犯アドバイザーの京師美佳さんによると狙われる家は、築年数が古いものが多いという。防犯カメラやセンサーライトの設置などももちろん重要だが、強盗が侵入してくるまでの時間を稼ぐためにもガラスに防犯フィルムを貼ったり、カギを1つだけではなく補助錠をつけたりする対策も有効だとしている。

相次ぐ闇バイトによる強盗。福岡でいつ起こってもおかしくはない。できる対策を事前に徹底することが必要だ。福岡県警は、今回、記録された男の映像を確認し、関心を寄せるとともに訪ねてくる不審な人物に面談を求められても応じないよう注意を呼びかけている。
(テレビ西日本)