春の高校バレー県代表決定戦の決勝が10月20日に行われ、男子は山形城北、女子は米沢中央が全国のオレンジコート行きの切符をつかんだ。激闘を振り返る。

大接戦となったライバル校対決

男子の決勝は、4連覇をねらう第2シードの山形中央と、10年ぶりの優勝を目指す第1シードの山形城北が対戦。2023年の決勝、そして6月の県高校総体の決勝と同じ顔合わせとなった。
第1セット、試合の流れを作ったのは、ともに2年生。

この記事の画像(18枚)

山形城北は、185cmのエース・佐藤純大選手にトスを集めると、対する山形中央は。

大会最長身197cmのミドルブロッカー・阿部弘佑選手
大会最長身197cmのミドルブロッカー・阿部弘佑選手

大会最長身197cmのミドルブロッカー・阿部弘佑選手が存在感を放つ。
飛び抜けた高さを十分に発揮するが、拮抗(きっこう)した展開から終盤、前に出たのは…。

佐藤純大選手の強力なスパイクで山形城北が第1セットを先取
佐藤純大選手の強力なスパイクで山形城北が第1セットを先取

山形城北の佐藤純大選手が圧巻のパワーを披露し、第1セットは山形城北が先取する。
続く第2セットも、序盤は山形城北がリードする展開となり、山形中央がタイムアウトを要求。

山形中央・武田宏典監督:
勝負していけ。何逃げている。ここまでやってきて逃げるのか?勝負しろ

この檄(げき)で火がついたのは、3年生エースの鈴木俊平選手だった。

豊かなジャンプ力が武器の鈴木俊平選手
豊かなジャンプ力が武器の鈴木俊平選手

身長は174cmとスパイカーとしては高い方ではないが、豊かなジャンプ力から強打を打ち込みチームをけん引。

鈴木選手の奮起をきっかけに、山形中央がこのセットを奪い返す。

「決勝は自分が勝たせる」

取れば優勝に“王手”となる第3セットは、流れが行ったり来たり。
山形城北が185cmの1年生・斎藤宗一郎選手のブロックでプレッシャーをかけると、対する山形中央は3年生セッター・工藤昂也選手を投入し、2年生セッター須貝樹選手にスパイクを打たせる奇襲攻撃に。

終盤、同点となりしびれる展開にミスも出る中、冷静にスパイクを打ち込んだのは山形城北のキャプテン・太田絢斗選手だった。

大学受験のため準決勝まで欠場していた山形城北のキャプテン・太田絢斗選手
大学受験のため準決勝まで欠場していた山形城北のキャプテン・太田絢斗選手

大学受験のため準決勝まで欠場し、「決勝は自分が勝たせる」と誓っていた太田選手。
上がってくるトスをことごとくコートに沈め、山形城北がこのセットを取り優勝に王手をかける。

第4セット、競った展開をものにした勢いそのままに山形城北が自慢の攻撃力を発揮。中でも…。

3年生レフティの木村悠聖選手。
大会を通して安定した攻撃力で貢献し、木村のスパイクをきっかけに山形城北が10連続得点、がっちりと流れをつかんだ。

セットカウント3対1、ライバルの連覇を止め山形城北が10年ぶり3回目の優勝を決めた。

山形城北・キャプテン・太田絢斗選手:
自分たちにとって憧れの舞台がオレンジコートなので、最後はやり切って自分たちの目標『ベスト8』を絶対にかなえたい

県内では約5年間負けなしの米沢中央

女子の決勝は、学校初の5連覇を目指す米沢中央と、5年ぶりの優勝をねらう山形商業、2023年と同じカードとなった。

県内では約5年間負けなし 米沢中央が序盤から力を発揮
県内では約5年間負けなし 米沢中央が序盤から力を発揮

第1シードの米沢中央は、県内では約5年間負けなし。2020年度から1セットも落としていないその力を序盤から思う存分発揮する。

3年生エース・佐藤鈴選手
3年生エース・佐藤鈴選手

パワースパイクが持ち味の3年生エース・佐藤鈴選手、同じく3年生で安定感抜群のレフティ・櫻井好香(このか)選手と、3年生が頼もしくチームを引っ張る。

極めつきはリリーフサーバーで登場した3年生の出塚美桜選手。

コートのぎりぎりをねらった出塚選手の見事なサービスエース
コートのぎりぎりをねらった出塚選手の見事なサービスエース

元日本代表の大林素子さんも驚く見事なサービスエースが飛び出し、このセットは米沢中央が大差で奪う。

続く第2セット、今度は米沢中央の2年生が躍動。

アウトサイドヒッター・岡崎芽依選手が連続でサービスエースを奪うと、170cmのミドルブロッカー・深澤紅選手が高さを生かした速攻やブロックでポイントを量産。
このセットも米沢中央が差をつけて取る。

学校初の“春高5連覇達成”

後がない山形商業は第3セット。
2023年敗れた悔しさをバネに「打倒! 米沢中央」を掲げ成長してきた意地を見せる。

キャプテンでエースの後藤ゆうか選手。その後藤とともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた3年生の早坂瑠南(るな)選手が懸命にスパイクを打ち込み、中盤まで山形商業がリードする。

しかし、インターハイや国スポなど数多くの全国大会に出場し、リードされる展開も経験している米沢中央は冷静だった。

米沢中央が春高5連覇達成
米沢中央が春高5連覇達成

1年生からレギュラーの櫻井選手が終盤もミスのない安定したプレーを見せ逆転。鍛えてきたレシーブから多彩な攻撃を展開し、粘る山形商業を振り切った。
セットカウント3対0、米沢中央が見事、学校初の春高5連覇達成。

米沢中央・キャプテン・佐藤鈴選手:
ことしはインターハイ・国スポでベスト16に終わっているので、春高ではその上を目指して、一からチーム全員で上を目指して頑張っていきたい

優勝校はもちろんすばらしかったが、準決勝までの試合では、男子は鶴岡工業・東海大山形、女子は山形学院・上山明新館が非常によいバレーボールをしていた。
今回の悔しさをバネに成長してほしい。
全国大会は2025年1月5日、東京体育館で開幕する。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。