10月も半分が過ぎ、すっかり秋、と言いたいところだが、16日の東京都心は、最高気温が25℃を超え、2024年として150日目の夏日。さらに5日連続というおまけつき。フジテレビ気象センターのデータ班の調べでは、10月中旬に東京都心で夏日が5日続くのは、1951年以来73年ぶりという記録尽くしだ。

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それでも季節の歩みは着実に進んでいる。日が沈むのが早くなったと感じるようになってきた。10月1日に午後5時25分だった東京の日の入りは、10月末にはもう午後4時47分にまで早まる(国立天文台)。まさに『秋の日はつるべ落とし』とはよく言ったものだ。

交通事故急増「魔の時間帯」

日の入りが早まると、より注意したいのが、寒暖差、そして意外にも交通事故だ。

警察庁の調べによると、2023年までの5年間(令和元年から令和5年)、死亡事故の発生件数を時間帯ごとに統計をとると、午後5時台、午後6時台、午後7時台が特に多発している(午後5時台:930件、午後6時台:860件、午後7時台:781件)。天気予報では、「夕方」「夜のはじめ頃」に該当するこの時間帯。警察庁では、日没の前後1時間を「薄暮時間帯」としている。

これから死亡事故増加…11月がピーク

薄暮時間帯の死亡事故は、11月をピークに10月から12月が最も多くなっている。

つまり、この時期の夕暮れは、昼間より周囲の状況が確認しづらく、距離感やスピード感がわかりにくくなるため、より慎重かつ安全運転を心がける必要がある。

ドライバー&歩行者の薄暮対策は?(警察庁より)

ドライバーができる対策
・早めのライト点灯
・昼間よりも速度を抑える

この2点を意識し、交通状況にいっそう注意し慎重な運転を心がける。

歩行者ができる対策
・明るい服装を着用
・反射材やライト点灯

運転者から存在を認知してもらえるよう、暗くなる前から心がける。

秋が深まるこれからの時期、急激な寒暖差による体調管理に加え、交通事故にも気を付けて過ごしていただきたい。

樋口康弘(フジテレビ気象センター・気象予報士)

樋口康弘
樋口康弘

福島県福島市出身。東京理科大学理学部卒(数学専攻)。
アウトドアな趣味が高じて、SEから気象予報士に転身。(ちなみに趣味:スノーボード、登山、競馬、麻雀など※共通点は風を読むこと)
気象キャスター、気象ディレクター、デスク(気象災害部門)を経て、現職。座右の銘は「1分、1秒を大事に!」。
天気といえば「フジテレビ」、防災といえば「フジテレビ」、行動のきっかけは「フジテレビ」を目指して奮闘しています。