10月中旬になってもおさまらない暑さ。福岡の街では半袖姿の人たちの姿がまだ多く目につく。日中の暑さと朝晩の冷え込みなどで1日の寒暖差が大きいため体調を崩す人も多い中、咳がなかなか治らず、風邪かと思って病院に行くと風邪ではなく「ぜんそく」だったというケースが、いま増えているという。福岡の医療現場を取材した。
長引く咳は‟隠れぜんそく”に注意
福岡市城南区にある「せき小児科・アレルギー科クリニック」。最近は長引く咳に悩む患者が増えているという。この日、クリニックを訪れていた患者は「寝る時に咳が出るから寝にくい。痰が絡まった感じ」と症状を訴えていた。クリニックの関真人院長は「普通の風邪と思って咳がなかなか治らないという方は、ただの風邪ではないケースも多い」と注意を促す。心配しているのは、いわゆる‟隠れぜんそく”だ。
この記事の画像(5枚)子供連れの保護者は「(子供が)咳をしているだけで風邪だと思っていた」と話す。しかし診断はぜんそく。医師に「咳もぜんそくに含まれます」と言われ驚いたという。ぜんそくにも関わらず診断を受けていない‟隠れぜんそく”。この状況を放置すると重症化する恐れもあるのだ。
「放置するとなかなか、ぜんそくが治りにくかったり気道がダメージを受けてその結果、気道が狭くなり、ぜんそくの症状がより悪化したりする可能性があり得ます」と関院長は警鐘を鳴らす。
‟隠れぜんそく”疑う3つの注意点
ぜんそくは、気管支などの気道に炎症がある状態のこと。長引く咳を放置すると気道が変形して狭くなってしまう。一度この状態になると気道が元の形に戻り辛くなり、特に大人は完治が難しくなるという。
では、どのような場合、病院を受診すべきなのか?注意すべきポイントを専門家に聞いた結果、①「風邪を引いた後」咳がひどくなり長引くことを繰り返す。②「真夜中や明け方」咳がひどくなる。③「季節の変わり目」に咳が強くでる。という3点を挙げた。加えて、本人や家族にダニや花粉などのアレルギー歴があることも注意が必要だ。
子供はもちろん、大人も強い咳が長引く場合は、安易に風邪と判断せず呼吸器科やアレルギーの専門医に診てもらうことが重要だ。
(テレビ西日本)