さまざまな悩みを解決してくれる「便利屋」。依頼は全国で年間1万4000件以上にも上る。ようやく猛暑が落ち着き、今後さらに依頼が急増している大忙しの便利屋に密着した。
「おはようございます。便利屋お助けマスター前田です」。9月下旬のある日。最初の依頼は、福岡市内のマンションに住む女性から。依頼内容は窓と網戸、それにベランダの掃除だ。普段は仕事と育児で多忙な女性。台風の際、雨風がすごかったので、ずっと気になっていたとのこと。ようやく涼しくなってきたので、便利屋への依頼を決めたという。
猛暑が過ぎ依頼が急増!
全国的に記録的猛暑となった2024年の夏。窓を開けるとエアコンの効きが悪くなるため、網戸やベランダを掃除したくてもできなかったという人が多い。ようやく涼しくなってきたので「便利屋に頼もうか」と依頼する人の数が一気に増えているという。

窓と網戸の掃除を始めたベテランの前田さん。「潮風が当たっていると思います。窓と網戸に塩がこびりついているような感じ」とすぐにこの家の汚れの特徴に気づいた様子だ。

海に近いマンションのため台風や強い風が吹いた後は、サッシやベランダの手すりなど、あらゆるものが塩でベタついた感じとなり錆びやすくなる。予防するためには定期的な掃除が不可欠となる。

作業開始から約1時間。「うわ~!めっちゃキレイ!ありがとうございます」。塩害が気になっていたという依頼者は、見違えるほどピカピカになったと仕事ぶりに大満足。これで値段は7000円。「年末も楽できます」と依頼者は笑顔だった。
特殊工具使った開店準備も…
次は10月にオープンするサラダ専門店からの依頼。室内で水耕栽培の野菜を育てる棚の組み立てを手伝ってほしいとの依頼だ。特殊な工具を使って鉄板に穴を開けていく。「できるかな…」これまで色々な作業を引き受けてきた前田さんも今回は慣れない作業のためか不安そうな表情。それでも使い方を習うと初めての特殊工具も難なく扱い作業をすすめていく。穴開けの次は、水耕栽培する野菜の水受けの組み立てだ。

今回、依頼者はなぜ専門の業者ではなく便利屋に仕事を頼んだのか?そこには、予想外の事情があった。スケジュールがずれ込みオープンに間に合わない可能性が出てきたため、急きょ、便利屋に依頼することになったのだ。

「黙々と淡々と作業をしていただけるので、安心感ありながら見ています」とその仕事ぶりに満足な様子。作業は約2時間、開店準備の手伝いを無事こなして値段は8800円。
カフェの模様替えもお手伝い
次の依頼は、カフェのオーナーから店の雰囲気を秋仕様にしたいので客席のレイアウト変更を手伝ってほしいというもの。当初はアルバイトスタッフと一緒に作業を考えていたが日程が合わず、便利屋の力を借りることになった。

「この辺りでいいですか?」と前田さん。依頼者のイメージに合うように指示をもらいながらテーブルや椅子を移動させていく。果たしてオーナーのイメージどおりになったのか?

「バッチリです。いい感じになりました」と一安心。変更前のレイアウトと比べるとスペースに余裕ができ、ゆったりとくつろぐことができそうな空間になった。
今回密着した「便利屋お助けマスター」によると、これから年末にかけて増えてくる依頼で最も多いのが「ハウスクリーニング」。次が「草刈り作業」。3番目が「生前整理・遺品整理」とのこと。記録的な猛暑がようやく終わり、涼しくなったからこそ手をつけたい困りごとの数々。便利屋はこれから大忙しのシーズンを迎える。
(テレビ西日本)