2012年、2016年と過去に2度の首位打者に輝いた打撃職人が本能でチームを勝利に導いた。
ロッテは同点に追いつかれた直後の6回2死1・2塁で打席には角中勝也(33)。
見送るはずの初球だった。

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ソフトバンクのサブマリン・高橋礼(24)の投じたアウトローに沈む113キロのシンカーをセンター前に弾き返した。
「アンダースローはあまり見ないので、とりあえず1球見ようと思ったんですけど、気付いたら振り終わってました」と体が自然と反応。初球打ちを決勝打にしてみせた。

角中のタイムリーに、2塁ランナーの安田尚憲(21)も激走した。「あの当たりでホームに還れなかったら後で説教しようと思っていた」と、着替えのロッカーが隣の後輩に先輩から思いも届けた。

今季ここまで打の柱だったブランドン・レアード(32)が腰の治療で長期離脱(一時帰国)する中、14安打に加えて、フォアボールとデッドボール併せて10個。
井口資仁監督(45)は「球筋が見えている。打線がつながった」と手応えを口にした。

同率首位だったソフトバンクに対し、これで1分けを挟み4連勝で、30勝リーグ一番乗り。
50年ぶりの8月単独首位に立った。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、例年より開幕日が3カ月も遅れたが、リーグ優勝した1970年以来の8月単独首位となった。

1970年は前身のロッテオリオンズで有藤道(通)世さんらが打線をけん引していた頃だ。角中も実感がない。
「昨日から単独首位だと思っていました。選手なんて、そんなもの。目先の勝利と、終わった時に一番上にいること。それだけ考えてやっています」と角中。
首位に浮つくことなく、一打一打自分の打撃をしていく。

【8月21日プロ野球結果】
ヤクルト4-7阪神
中日3-1DeNA
広島7-5巨人
日本ハム1-4楽天
オリックス3-1西武
ロッテ7-3ソフトバンク

(フジテレビ・加藤忍)