陸上の走り幅跳びで日本一に輝いた期待の中学生ジャンパーが愛媛にいる。度重なるケガを乗り越え2024年、才能を一気に開花させた。
「心ゆさぶるJUMPをする!」ことを胸に描き、世界陸上金メダルを目指している。
178cmを生かしたダイナミックな跳躍
松山を拠点に活動する陸上競技クラブ「B&M」。小・中学生を対象にしたジュニア・クラスに所属する古野滉貴選手は松山市・久米中学校の3年生で、走り幅跳びで日本一に輝いた中学生ナンバーワンジャンパーだ。

古野選手は「幅跳びはリズムを使って、最初は地面を強く押してどんどんピッチを上げてパーンと跳ぶ。その空中にいる時の感覚とか地面にザバッて入る感覚が楽しい」と幅跳びの魅力について語る。

古野選手は身長178cm。恵まれた身体を生かしたダイナミックな跳躍が持ち味だ。これまで度重なるケガに泣かされ結果を残せていなかったものの、今シーズンにその才能が一気に開花した。

7月の愛媛県総体では自身初となる7m越えのビックジャンプを決め、大会新記録・7m06で優勝。県中学記録にあと1cmに迫る圧巻の跳躍で一躍、全国大会の優勝候補に躍り出た。
陸上クラブ「B&M」との出会いが飛躍の鍵に
飛躍のきっかけは、中学1年生の冬から部活動とは別に通い始めた陸上クラブとの出会いだった。

古野滉貴選手は「言葉だけでなくて実際に目の前でやってくれて、自分がこう走ったら速く走れるなっていうのが大体わかってきた。踏切もまだ腰が入ってないと言われるんですけど、ある程度腰も入ってきてあと助走がちゃんと板を踏めるようになってきた」と話す。
コーチは現役のアスリートの平岡宥人さん。このほかにも指導者がいて、それぞれが短距離と跳躍のスペシャリスト。

平岡宥人コーチは古野選手について「なかなか背が高くても、ダイナミックな動きを体の中心から行える選手ってそんなに多くないんですけど、(古野選手は)動きを見た時から股関節から体の中心から大きく動かせる選手だった。これはすごく強くなるだろうって」と語る。

高い潜在能力を持つ古野選手をさらに大きく伸ばすため、平岡コーチは走力の強化と踏み切りに焦点を絞り、ジャンパーとしての基礎作りに徹してきた。空中姿勢もシンプルな反り跳びに戻し、コツコツと練習を積み重ねること1年半。その努力が最高の舞台で実を結んだ。
初めて出場した中学ナンバーワンを決める全国大会で優勝。県総体から3大会連続で7m越えを達成しての快挙だった。

古野選手は「理想の跳躍をした時に記録が出ると教えられたので、自分の最高の跳躍、理想の跳躍にどれだけ近づけるかっていうところを頑張ってることです。みんなが『すげぇ』って思ってもらえるような、小っちゃい子とかが『僕もこういうふうに跳びたい』って思ってくれるような跳躍をしたい」と話す。
未来の金メダリストを目指して
心に秘める思いは「心ゆさぶるJUMPをする!」。観る者を魅了し感動を届ける唯一無二のジャンパーへ。
指導する平岡コーチも古野選手のスケールの大きさに大きな期待を寄せてる。

平岡コーチ:
踏み切ってからはまだあんまり教えられてないので、これからさらに伸びるんじゃないかなと思います。

古野滉貴選手は「橋岡優輝選手みたいに世界陸上金メダル、今の日本記録の8m40の記録を打ち破って8m後半、日本人初の8m後半を叩きだしたい」と意気込む。
身長もまだ伸びているという古野選手。伸び盛りの未完の大器は大きな夢を胸に宙を舞う。
(テレビ愛媛)