東京・葛飾区の證願寺で9月、入り口に集まる人だかりをカメラがとらえた。
当選者25人のところ、約30倍の人が応募したという、お寺で行うプラネタリウムが目的だ。
お寺内でのノスタルジックな体験、さらに住職と解説員による軽妙なトークが人気を博しているという。
倍率約30倍?大人気“寺ネタリウム”
葛飾区にある證願寺で9月29日、撮影されていたのは、お寺の入口から列が伸びている様子だ。
一見すると、普通のお寺のようにも見えるが、證願寺は少しほかとは違うという。
列に並ぶ人に何が楽しみなのか聞いてみると、「いつもと違う空間で異次元っぽいというか、メルヘンチックっていうか、スリリングな解説してくれるっていうのを楽しみにしています」と何やらお寺とは違う話をしている様子だ。

特に「メルヘン」で「スリリング」と言うと、お寺のイメージとはほど遠いようにも思われる。

しかし、その人気ぶりはすさまじく、中には「750人の中から抽選を勝ち取りました」と話す参加者もいた。
今回は当選者25人のところ、約30倍の人が応募したという。
訪れていた夫婦は、「珍しいですよ。お寺さんでこんなことするなんて」と、このお寺が“ほかとは違う”と話す。

お寺では珍しい超人気の珍しいイベントとは、なんとお寺の中で見ることができる、プラネタリウムならぬ“寺ネタリウム”だ。
住職と解説員の“トーク”が売り
天文学好きの住職と解説員によって、月2回開催される1時間の天体ショー。
その一番の“売り”は、2人の軽快なトークだという。

「そうだ12月まで丹野さんは来られない」と話題を振ったのは、證願寺の春日住職だ。
一方、話題に答えるように「そうなんですよ」と残念そうに話していたのは解説員の丹野さん。

そんな丹野さんに、春日住職は、「丹野さんは福岡県の大きなプラネタリウムの女帝なんですよ」と冗談を挟み、すぐさま「違うって」とツッコミを入れる様子は、どこか笑いを誘うトークだ。
プラネタリウムに参加していた20代の人は、「こんなにしゃべるんだみたいな、プラネタリウムは静かに見るイメージだったので」とイメージと覆されたと語る。
また、参加していた夫婦も「2人で漫才やってるような、お2人の掛け合いがとても楽しかったです」と、絶賛していた。
“寺ネタリウム”を始めたきっかけ
お寺とプラネタリウムは、まさにほかでは体験することができない異色コラボといえる。

お寺でプラネタリウムを始めた理由について、春日住職は「仏教に興味がないんです。皆さん。話をしても聞いてくれない。聞いてくれるような環境をまず、作んなきゃダメだなと思って」と話し、もともとは「仏教」を知ってほしいという思いから始まったという。

また、春日住職は「いろいろブログで感想をお見かけすると、一番気に入った答えは“一般のプラネタリウムに飽きた人におすすめ”って書いてあって。僕の目指しているところはそういうところかな」と、プラネタリウム好きにも届けたいと話している。
(「イット!」 10月1日放送より)