1966年に静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で4人が死亡した強盗殺人放火事件、いわゆる袴田事件のやり直しの裁判はきょう9月26日午後2時から判決が言い渡される。出廷を事実上免除されている袴田巖さんに代わって出廷する姉・ひで子さんは、静岡地裁に向け自宅を出発する際に取材に応じ、「きょうで最終にしてもらいたいと思っております」と述べた。

1980年に袴田巌さんの死刑が確定も…

1966年6月に当時の清水市にある味噌製造会社の専務宅で起きた一家4人強盗殺人放火事件をめぐっては、味噌工場の従業員だった袴田巖さん(88)が逮捕され、1980年11月に死刑が確定した。

若き日の袴田巖さん
若き日の袴田巖さん
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ただ、第二次再審請求で東京高裁は2023年3月、裁判のやり直しを認め、検察側が特別抗告を断念したため、同年10月からは再審公判が始まっていて、検察側は有罪の根拠とした“5点の衣類”について「捜査機関による捏造は実行不可能で非現実的」と主張し、再び死刑を求刑した一方、弁護側は“5点の衣類”は「何者かが袴田さんを犯人に仕立て上げるために捏造したものである」との見解を示し、無罪を求めている。

再審判決を前に巖さんの姉・ひで子さんは

判決はきょう9月26日午後2時から静岡地裁で言い渡され、出廷を事実上免除されている袴田巖さんに代わって出廷する姉・ひで子さんは浜松市の自宅を出発する際、「平常心でございます。私は常々そう申し上げておりますが平常心でございます。もちろん無罪を期待しておりますが、裁判ですから出てみないとわからない。もう(結論は)出ているでしょうけれど、発表があってからでないとちょっとわかりません」と述べた。

自宅を出発する際のひで子さん(9月26日午前10時半頃)
自宅を出発する際のひで子さん(9月26日午前10時半頃)

その上で「58年のことだから、もういい加減にしてもらいたいと思います。きょうで最終にしてもらいたいと思っております」と笑い飛ばしたひで子さん。

26日は白い装いをしていて、これには“潔白”という意味が込められているといい「縁起を担ぐというか、装いを黒にしないようにしました」と話している。

袴田巖さん
袴田巖さん

出発の際、巖さんはくつろいでいたそうで、「『静岡言ってくるでね』『晩に帰ってくるよ』と言ったら『はい』と言っておりました」とのことだ。

また、判決内容については「帰ってきてからなのか、明日になるのかわからないけれど、巖の状況を見て顔色を見て話そうと思っています」としている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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