NITE(ナイト)=製品評価技術基盤機構によると、2019年から2023年までの5年間で、調理家電の事故は494件にのぼり、そのうち事故原因が判明した226件では、使用者の誤使用・不注意が関係しているものが44%(99件)を占め、最も多かった。

調理家電の製品別では、電子レンジが149件と最多で、IHコンロが89件で続く。

近年はタイパ(タイムパフォーマンス)といった時間の効率さを重視する志向の高まりなどを受けて、調理になるべく手間をかけない「ずぼら飯」や「ずぼら調理」を売りにしたレシピ動画なども登場している。

しかし一方で「ずぼら調理」は、やけどなどの重大な事故につながる恐れがあるとしてNITEは事故の再現映像を公開して危険性を呼びかけた。

事故の事例としては、2020年3月にはカップ麺を調理する際に容器ごと電子レンジで加熱したことで、容器が爆発し電子レンジそのものも破損した事故が発生。

2019年6月には女性がIHコンロで少量の油で揚げ物をし、揚げ物モード(油が発火点に達しないように油の温度を一定に保つ機能)を使用せず、さらに調理場を離れたことで鍋から発火し、やけどをした事故も発生している。

カップ麺やレトルト食品のアルミパウチなど金属製の容器やアルミホイルを電子レンジで加熱すると、破裂や発火する恐れがあるほか、卵や切り込みを入れていない栗なども同様に破裂する危険性があるとしている。

電子レンジの事故を防ぐためには、調理前に取扱説明書や商品パッケージを確認して禁止されている容器や食品を加熱しないよう注意を呼びかけている。

また火を使わずに調理ができるIHコンロでも、規定の油より少ない量で揚げ物調理を行うと、急激な温度上昇が原因で、炎がなくても油から発火する恐れがあることから、規定の量を守り、調理中はその場から離れないことが大事だとしている。

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